カテゴリー「カメラ」の78件の記事

2014/12/12

Canon F-1 -(13) システムの展開と使い方-

Canon F-1 システムの展開と使い方

 F-1発売後の2、3年は「Canon F-1 GUIDE BOOK」が購入者に無償配布されていたようだが、こちらの「Canon F-1 システムの展開と使い方」の素性は良く分からない。

Canon F-1 システムの展開と使い方

 奥付を見ると1973年10月とあるが、版刷などの記載はない。これも、F-1購入者に配布されていたものだろうけど、1973年からいつまでなのかも分からない(F-1がF-1Nに変わった1976年以前までなのは間違いないだろうけど…)。

Canon F-1 システムの展開と使い方

Canon F-1 システムの展開と使い方

 1973年だけあって中で紹介されているFDレンズも銀枠のものではなく、旧FDではあるが黒枠のものだけ。
 ページ数は160ページと、「Canon F-1 GUIDE BOOK」の100ページから大幅増。
 前で紹介したマグニファイヤーRも「Canon F-1 GUIDE BOOK」にはほんのちょっとしか載っていないけど、こちらでは2箇所でしっかりと紹介されている。
 版面は大きく、文字は少し小さくなり1ページあたりの文字数が増え、ページ増と相まって情報量は大幅に増えている。「Canon F-1 GUIDE BOOK」はF-1というカメラシステムのコンセプト紹介に重きを置いた内容だったけど、こちらはより具体的な用途、使い方に寄っている。ページ増、情報量増は、発売後、アクセサリー類が充実したことも一因だろうけど、より詳細な記述になっていることが大きい。
 ただ、「Canon F-1 GUIDE BOOK」は上製(ハードカバー)で箱入りだったけど、こちらは並製(ソフトカバー)の冊子に黒いカバーをかけただけと、コストダウンをはかっている。

Canon F-1 システムの展開と使い方

 この冊子、マグニファイヤーRについて調べたときには役にたったが、「Canon F-1 GUIDE BOOK」同様、基本的には過去の遺物。今後もあまり開くこともなく、本棚に仕舞われ続けると思う。

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2014/11/23

Canon F-1 -(12) 拡大鏡-

Canon Magnifier-R

 古い時代のキヤノンのマグニファイヤーには、ファインダーの覗き口が丸型のものに対応した「R」(Round?)と、角型に対応した「S」(Square?)があったようだ。F-1のファインダーは丸型なので、マグニファイヤーRが対応する。
 ファインダーのネジ式のアイピース(接眼リング)を外し、マグニファイヤーRの金属の輪の部分をはめ込み、アイピースをねじ込んで押さえる形式。これを付けるとアイピースに被せる眼鏡保護用のゴムカバーは外さなくてはいけない。
 アイピース台座の下側の切れ込みに、マグニファイヤーの輪の下側の突起がはまることでマグニファイヤーが回ることを防いでいる。そうか、アイピース台座の切れ込みはこのためにあったんだ。

Canon Magnifier-R

Canon F-1 with Magnifier-R

 取り付けると上のようになり、2.5倍に拡大されるので精細なピント合わせが可能になる。ただし、2.5倍ということは、ファインダーの全視野のうちの中央部分しか見えないということ。
 このため、マグニファイヤーをはね上げて、全体を見られるようにすることができる。ただし、これができるのは通常のアイレベルファインダーだけ。サーボEEファインダーやブースターTファインダーの場合は、はね上げることができないので、リング部分を外して取り付けられるはめ込み式のアタッチメントが付いていたようだ(私の入手品では欠品)。

Canon F-1 with Magnifier-R

 このマグニファイヤー、このときのチェックをする際、レンズの無限遠が本当に出ているのかを確認するために入手した。その用途にはそれなりに役に立ったが、暗いところでは使いにくいし拡大率も低い。11.7倍になり視野も明るくしてくれるα7のMFアシスト機能には敵いようもない。今後も、F-1でのテスト用途には役立つと思うけど、外での撮影でこれを使ってじっくりピントを合わせることはそれほど多くないだろう。結局、今後も屋外での出番は少なくなりそうなアクセサリーではある。

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2014/11/09

滲みとサジタルコマフレア

 α7で撮った夕景・夜景写真を見ていて、ふとNew FD 24mm/F1.4Lの描写に疑念をいだく。なんだかシャープさに欠けるのだ。
 拡大して見ると、遠い点光源がボヤッとして滲んでいる感じがある。

Shooting test - New FD20-35mm f/3.5L←クリックするとflickrで大きな画像が見られます。
①-1 SONY Alpha a7 (Alpha 7), New FD20-35mm f/3.5L, 2014/10/18, Toda-shi, Saitama Prefecture, Japan

Shooting test - New FD24mm f/1.4L←クリックするとflickrで大きな画像が見られます。
②-1 SONY Alpha a7 (Alpha 7), New FD24mm f/1.4L, 2014/10/18, Toda-shi, Saitama Prefecture, Japan

 上の写真の上①-1は比較用。New FD20-35mm/F3.5Lで撮ったもの。開放のF3.5、1/20、ISO3200。
 ②-1は、New FD 24mm/F1.4L、開放のF1.4、1/20、ISO3200。①-1を撮った10分後、光量が落ちてきたのでレンズをNew FD 24mm F1.4Lに換えて撮ったもの。どちらも撮って出しのJPEG。
 下の4枚は、それぞれの鉄塔部分と、橋の照明が続いていくところの等倍切り出し画像。

Dsc05402_8
①-2 SONY Alpha a7 (Alpha 7), New FD20-35mm f/3.5L, 2014/10/18, Toda-shi, Saitama Prefecture, Japan

Dsc05410_8
②-2 SONY Alpha a7 (Alpha 7), New FD24mm f/1.4L, 2014/10/18, Toda-shi, Saitama Prefecture, Japan

Dsc05402_9
①-3 SONY Alpha a7 (Alpha 7), New FD20-35mm f/3.5L, 2014/10/18, Toda-shi, Saitama Prefecture, Japan

Dsc05410_9
②-3 SONY Alpha a7 (Alpha 7), New FD24mm f/1.4L, 2014/10/18, Toda-shi, Saitama Prefecture, Japan

 New FD 24mm/F1.4Lのほうが点光源が大きいし、細かな描写も甘い。②-2の鉄塔右下の照明の回りには輪のようなものまで見える。

 さらに別の日にもっと暗い環境で撮ったものが下。

Shooting test - New FD24mm f/1.4L←クリックするとflickrで大きな画像が見られます。
③-1 SONY Alpha a7 (Alpha 7), New FD24mm f/1.4L, 2014/6/22, Toda-shi, Saitama Prefecture, Japan

Dsc03027_9
③-2 SONY Alpha a7 (Alpha 7), New FD24mm f/1.4L, 2014/6/22, Toda-shi, Saitama Prefecture, Japan

 周辺部に行くにしたがって三角形の変形が強くなるのはサジタルコマ系のフレアのようだけど、それ以外にも滲んでいる。また、中央部でも点光源は、ぼんやりとした描写になっている。
 うーむ、これでは夜景に使うのを躊躇してしまう(これを味として表現に使う手もあるだろうけど)。
 しかたがないので、どの程度絞ればよいのかを調べてみる。

DSC05576

 上のような写真を、New FD24mm f/1.4Lの絞りを変えながら何枚か撮り(上はF5.6での例)、中央部の街灯と、右上隅の鉄塔まわりを等倍で切り出したものが以下のセット。
 撮影はα7。三脚使用、2秒セルフタイマー、ISO800固定、絞りを設定しシャッタースピードは自動、長秒間NR入、高感度NR標準、撮って出しのJPEG。

【1】 F1.4、街灯に滲んだ輪がかかり光芒は見えない。周辺減光が強い。サジタルコマフレアがはっきり分かる。元写真
2414l_f14_12414l_f14_2

【2】 F2.0、輪が小さくなり街灯の光芒が少し見えてくる。元写真
2414l_f20_12414l_f20_2

【3】 F2.8、街灯の輪はさらに小さくなってくる。サジタルコマフレアはかなり改善、元写真
2414l_f28_12414l_f28_2

【4】 F3.3(ここだけ半絞り)、全体的にかなり改善、元写真
2414l_f33_12414l_f33_2

【5】 F4.、街灯周囲の円は非常に小さくなる。元写真
2414l_f40_12414l_f40_2

【6】 F5.6、上のF4から大きな改善はないが、街灯周囲の円は完全に見えなくなる。元写真
2414l_f56_12414l_f56_2

 自分としての結論は、「F4以上に絞れば、ほぼ問題ない。半絞り開いたF3.3もなんとか許容。F2.8はどうしても仕方ないときに使用。F2.8よりも開放側は、風景、特に夜景や極端にコントラストの高いときには使わないほうが良い。F2以下の開放側は、ボケやこのような独特の滲みを出したいときにだけ使う」、というものだ。つまり、このレンズの最大のウリであるF1.4の明るさは、点光源のある夜景や夜空には使えないのだ。

 フィルムで使っていたときにも、「このレンズ、ちょっと描写が甘いな」と思っていたが、こんなふうにチェックをする気にはならなかった。
 α7で使えるようになり、お手軽に条件を変えて撮れて、すぐ結果が見られるようになった。だからこそ分かったことで、今後の利用にも大いに役立つ情報ではあるのだけれど、、、憧れの広角大口径の高級レンズの(って言ったて35~40年前のオールドレンズだけど)、、、その欠点が分かってしまってちょっと悲しい。

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※補足:α7の2400万画素(6000×4000ピクセル)はフィルムの解像度を超えている可能性があり、そのような環境下で使われることを想定していなかった時代のレンズには酷なテストと言える。解像度だけを追うなら、新たに設計された現代のレンズを使うか、もっと無理のない設計の(開放F値の大きい)レンズを使うべきなのだろう。

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2014/10/25

フローティングシステム

FD28mm f/2 S.S.C.

 2008年6月にこちらのカメラを手に入れたときにオマケに付いていたレンズ。いや、正確にはこのレンズ含めたセットだったのだけど、カメラ本体にしか興味がなかったので…。
 手書きのシリアル番号と一致する元箱も残っていたし、革製円筒のレンズケースも付いていた。カメラ本体同様、ほとんど使われてこなかったと思われる美品。デザイン的には標準よりちょっと長めの銅鏡と大きな前玉、旧FDの質実剛健かつ端正なデザインで、とても格好良い(だけど重い)。

 キヤノンカメラミュージアムの情報によれば、1975年の発売だからもう40年前のオールドレンズだ。その説明にある「フローティングシステム」は「レンズの一部を撮影距離に応じて移動させ最短撮影距離から無限遠に渡って収差を最小限に抑える」機構(ウィキペディアより)。FDレンズのフローティングシステムは1973年3月に発売されたFD35mm F2 S.S.C. (I)が最初だったようだ。当時は売り文句になる技術だったかもしれないが、今はそれほど珍しいものでもない。
 ピントリングを回してみると中のレンズがわずかに前後に動くのは確認できる。これがフローティングシステムの動作なのかは分からないし、収差の大小も比較対象がないのでなんとも言えない。

Dsc00922_mugen
↑無限遠。中玉のユニットは沈み込んでいる。

Dsc00928_30cm
↑最近接(0.3m)。中玉のユニットが(わずかだが)飛び出してきている。

Resolution test: Canon F-1 + FD28mm f/2 S.S.C. + Provia 100F + Super CoolScan 5000ED

 明るい広角レンズとしては、New FD24mm F1.4Lがあったし、28mmという画角はNew FD20-35mm F3.5Lがカバーしていた。入手直後、メンテナンスには出したけど、その後もあまり使うこともなくずっと防湿庫の肥やしになっていた。

 何回か持ち出したときには、なかなか面白い写真も撮れた。でも、今後使用が増えるとも思えないので手放すことにした。ということで、お別れ、そして所有していた記録のためにかんたんに紹介、、、のはずだったのだが、オークションで安めの設定をしたのになかなか落札されず、もったいない気持ちになり結局手元に残すことにしてしまった。

Abandoned Car in Green

Red Sign

 この6年間、あまり使ってこなかったし、これからもあまり使わないかもしれないけど、、、まあ許しておくれ。

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2014/01/14

FDレンズをSONY α7で使う

SONY Alpha a7 (Alpha 7), New FD 14mm f/2.8L

 SONY α7入手の最大の理由は、FDレンズを元の画角のまま使えること。

 2008年4月にCanon F-1に手を出して以降、何やかやで、今やFDレンズ資産は15本以上になっている。マウントアダプタをかましてm4/3でも使ったけれど、画角が狭くなってしまう(焦点距離2倍相当の望遠側の絵となる)。これは広角フェチな私には耐えられなかった。

SONY Alpha a7 (Alpha 7) and All My FD Lenses
↑この写真を撮るときに数えたら18本だった。その1/3は標準レンズ。

 ということで、α7購入と同時に宮本製作所(RAYQUAL)のCFD-SαEマウントアダプタを注文。

 到着後、さっそくいくつかのレンズで使ってみたけど、かなり調子良く使える。今までフィルムでしか使えなかった、またフィルムなりの制約のあったFDレンズ群に新たな息吹をもたらしてくれた感じ。

FD-SαE Mount Adapter

 一ヶ月ちょっと使ってみてのインプレ・印象は以下のとおり。ただし、FDレンズ、マウントアダプタではなく、α7の機能に依存するところが多い。

・フォーカスが合わせやすい。
 ピントが合った部分の輪郭を強調表示するフォーカスピーキング機能でだいたいのピントを合わせ、さらにビューファインダーの画像を拡大するMFアシスト機能で、ピントを精細に追い込むことができる。
 これによってマニュアル(Canon F-1)より精度の高いピント合わせが可能になった。特に暗いところで顕著。Canon F-1ではファインダーを覗いてスプリットマイクロの上下の画像のズレを頼りにピントを合わせてきたが、暗いところでは難しかった。でも、α7の場合、拡大し自動で明るく表示してくれる。
 この機能を使っていて気付いたことが一つ。合っていると思っていたレンズ(New FD20-35mm f/3.5L)の無限遠が、ずれた状態であったこと※1。広角端では∞(無限遠)マークの少し手前が無限遠の合うポイントだった。つまり今までこのレンズで撮った風景写真は、すべて少しずれていたということで大ショック!(ただし、絞って被写界深度が広くなっていたものも多いはず)。

Sunset of Saiko Lake and Sakitama Ohashi Bridge
↑SONY α7とNew FD20-35mm f/3.5L、ISO1600、1/60。MFアシストでしっかりピントを合わすことができた。

・今まで使えなかった暗い環境で撮れる
 カラーフィルムの場合、通常使えるのはISO400までと個人的には思っている。それ以上の高感度フィルムは色味、解像度がぐっと落ち、特殊用途になる感じで使わなかった。ISO400では、F1.2とかの明るいレンズで街中の灯りとかが撮れる。でも、暗めのレンズに夜の出番はなかった(私、基本手持ち撮影なので…)。
 しかし、α7の場合、(個人的には)ISO1600は常用、ISO3200でも実用。これってすごい。
 
Lantern of Noodle Shop

 上の写真はISO3200。この魚眼レンズ、開放でF5.6という暗いレンズだが、ISO3200、1/40、F5.6で手持ちで撮れた。もしISO400のフィルムなら1/5秒と手ぶれ必至(手ぶれ補正もないし)。
 下の写真はISO6400、1/10、F5.6。ここまで上げると、さすがに色味が変だしのっぺりとし、細部の粗が目立つ。でも、手持ちで撮れるのです。

Hakusan Street

 こんな感じで、FDレンズとα7の組み合わせには、惚れぼれ。今後、フィルムの使用頻度が下がるのは間違いない。特にカラーネガフィルムは、もう使わなくなる気がする。一部のカメラは手放すことになるだろうな。

★SONY α7+FDレンズ関連の写真はこちら

補足※1:マウントアダプタは元もと、無限遠などが少しずれているレンズでも使えるように、無限遠が合う少し先までピントリングが回るように設計されているという話もあるようです(つまり∞マークの手前で無限遠が合う。ただし真偽不明)。もし、そうだとしても今回、無限遠の合うポイントが複数のレンズで少しずつ異なっていたので、いくつかのレンズはずれている可能性が高いです。それを詳細に調べるのも面倒なので、適宜使っていきます。

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2012/10/10

新規PCを追加導入


届いたダンボールの中には、

新しいパソコン、Endeavor MR4300E。カスタマイズの自由度が高く、納期が短い、修理対応が良いということで、またまた今回もエプソンダイレクト

先日入手したSigma DP1 Merril、カメラ自体には十分満足なのだが、現像ソフトが前のPCの貧弱な力ではまともに動かない。ということで、写真専用マシンとして追加導入。うーん、カメラ買ったらパソコン買う羽目になるって言うのは、大人買いというのか、バカみたいに嵌まっていると言うのか…。
でも、ディスプレイキャリブレーションのハードは3台のパソコンにしかインストールできない制限があり、あまり買い換えを頻繁にはできない。また、フィルムスキャナNikon Super CoolScan 5000ED)も64ビット版Windows 7では動くようなので、8に切り替わる前の今のうちに手に入れておいたほうが安全そう、、、というのが言い訳。

CPUは(あまり良く知らないが、このモデルで一番良い)Core i7-3770K(3.5GHz)。OSは64ビット版Windows 7 Professional。
それでいて、128GB SSDと2GBメモリと貧弱。これは、別途お安く買った2TBのハードディスクを追加、および、32GBのメモリに変更する予定。それでも、前のPCの倍のお値段になってしまったお大尽マシン。がんばって最低でも5年は使う予定。
で、スイッチを入れる前に、メモリの交換、ハードディスクの追加をしようとしたら、SATAケーブルがないでやんの。あと、ディスプレイケーブルも足りない。うーむ、LANケーブルとかスイッチングHubとかキーボード切り替えスイッチとかは買ってあったのに…。で、結局、セッティングは明日以降。

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2012/10/04

Sigma DP1 Merrillと他のカメラの解像度比較

DP1 Merrillと他のカメラの解像度の確認をしてみた。
主な目的は、DP1 Merrillと、今使っているアナログカメラのシステム(Canon F-1+Nikon Super CoolScan 5000ED)の解像度にどの程度の差があるのかを知るため。
厳密なテストではないので、絶対的な精度はない。ただ、自分が使う際の指標にはなると思っている(また、似たような環境の方の参考になれば幸い)。

◆比較したのは4つのシステム
(1) Panasonic LUMIX DMC-GH1 + G 14mm/F2.5 ASPH.
 1210万画素(4128ピクセル×2752ピクセル)/主な仕様

(2) Canon PowerShot G10
 約1470万画素(4416ピクセル×3312ピクセル)/主な仕様

(3) Sigma DP1 Merrill
 約4600万画素(4704ピクセル×3136ピクセル×3(層))/主な仕様

(4) Canon F-1 + FD28mm f/2 S.S.C. + Provia 100F + Nikon Super CoolScan 5000ED
 Nikon Super CoolScan 5000ED:約2300万画素(最大5959ピクセル×3946ピクセル)/主な仕様

※センサーサイズは、以下の順に大きくなる(フィルムはセンサーじゃないけど)。
PowerShot G10(1/1.7型)<GH1(4/3型)<DP1 Merrill(APS-C)<F-1(35mmフィルム)

◆ピクセル等倍
Gh1_g14
ピクセル等倍:Panasonic LUMIX DMC-GH1 + G 14mm/F2.5 ASPH.

Powershot10
ピクセル等倍:Canon PowerShot G10

Dp1merrill
ピクセル等倍:Sigma DP1 Merrill

F1_provia_scan
ピクセル等倍:Canon F-1 + FD28mm f/2 S.S.C. + Provia 100F + Super CoolScan 5000ED

※左から3冊目の「母なる夜」の上の「世界の文学」が読み取れるのは、DP1 Merrillのみ。
※「国のない男」の左の英文もDP1 Merrillは確実に読み取れる。GH1、F-1(+Nikon Super CoolScan 5000ED)も一部読み取れる。PowerShot G10はほとんど読み取れない。
※「青ひげ」の下の勲章の○部分の中の文様の解像度合いを見ると、
 DP1 Merrill>(圧勝)>F-1(+Nikon Super CoolScan 5000ED)>(僅差)>GH1>(圧勝)>PowerShot G10
って感じ。
★全体として、DP1Merrillの圧勝で、1200万ピクセルのGH1が大健闘という感じ。期待していたF-1(+Nikon Super CoolScan 5000ED)は、「うーん、今一つ」 または「まあ、こんなものかな」って感じか。


◆2倍拡大(Photoshopを使いニアレストネイバー法で拡大)
Gh1_g14_2b
2倍拡大:Panasonic LUMIX DMC-GH1 + G 14mm/F2.5 ASPH.

Powershot10_2b
2倍拡大:Canon PowerShot G10

Dp1merrill_2b
2倍拡大:Sigma DP1 Merrill

F1_provia_scan_2b
2倍拡大:Canon F-1 + FD28mm f/2 S.S.C. + Provia 100F + Super CoolScan 5000ED

※PowerShot G10は、拡大するとノイズ(モスキートノイズ?)が目立つ。


◆解像度以外の蛇足と自分なりの結論
・ズームレンズ(そのワイド端)という不利もあり、PowerShot G10の樽型収差が激しい。
・2倍拡大を見ると、GH1に若干色収差が出ているかも(自信なし)。
・F-1+Nikon Super CoolScan 5000EDは、色ノイズが多く輪郭がぼけた感じに見えるが、フィルムスキャンの画像は元々こういうものだと思う。シャープネスをかけるともう少し輪郭がくっきりするが、その分、色ノイズが増える。
・「本棚の写真の公開」=「蔵書を晒す」ことで、ちょっと恥ずかしい。ただし、蔵書の半分以上は家内のものです(言い訳)。

★結論1:解像度だけ考えるなら、DP1 Merrillで決まり。
★結論2:GH1ががんばっていることから、後継機として1600万画素のG5はやはり導入の方向。
★結論3:解像度ではDP1 Merillに及ばなかったF-1(+Nikon Super CoolScan 5000ED)だけど、やはりフィルムにしか出せない色味、陰影というのが、まだまだあると思っている(例えばこんなの)。ということで、少し縮小気味にはなるけど、F-1(+Nikon Super CoolScan 5000ED)も、現役で運用していくつもり。


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◆補足:撮影条件で共通にした項目
・焦点距離:28mm(35mm換算)
・ISO100、絞り8
・カメラが出すオリジナルのJPEG(カメラ内での最大サイズ、最高画質)。ただしF-1の場合はフィルムスキャナ(Nikon Super CoolScan 5000ED)での最高解像度でスキャン後、JPEGの「高画質」で保存。
・昼間、カーテンをした室内、LED照明下で三脚を使って撮影。
・オートホワイトバランス設定。色・明るさなどの調整なし。ただし、ホワイトバランス調整のないF-1は、フィルムスキャナで色調整した。
・オートフォーカス。ただし、F-1はマニュアルフォーカス。
・アスペクト比3:2、ただしPowerShot G10のみ4:3。

◆補足:撮影条件で共通でない項目・デフォルトでない項目・注意点
・PowerShot G10のみズームレンズ、他は単焦点。
・PowerShot G10以外は、プロテクトフィルターを装着(実際に使用する状態で撮影)。
・PowerShot G10は前玉に小傷あり。
・Nikon Super CoolScan 5000EDでは、シャープネスをかけていない。
・中央部近くのみの解像度を比較(周辺部は未評価)。
・当然のことながら、レンズ固定のDP1 Merrill、PowerShot G10以外は、カメラ+交換レンズ(+フィルムスキャナ)の組み合わせ・システムとしての評価となる。
・色味については、基本的に無視してください。

◆資料:元写真全体
Resolution test: Panasonic  LUMIX DMC-GH1 + G 14mm/F2.5 ASPH.
Panasonic LUMIX DMC-GH1 + G 14mm/F2.5 ASPH. オリジナル画像 Exif

Resolution test: Canon PowerShot G10
Canon PowerShot G10 オリジナル画像 Exif

Resolution test: Sigma DP1 Merrill
Sigma DP1 Merrill オリジナル画像 Exif

Resolution test: Canon F-1 + FD28mm f/2 S.S.C. + Provia 100F + Super CoolScan 5000ED
Canon F-1 + FD28mm f/2 S.S.C. + Provia 100F + Super CoolScan 5000ED オリジナル画像 Exif

※2012/10/7:構成など一部変更しました。

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2012/01/13

Webニュース:米コダック、フィルム部門が消滅 組織改革を発表

 イーストマン・コダックが連邦破産法の申請を進めているという噂、、、というか報道がこのところ流れていたけれど、一昨日、下のような記事が日経新聞に出た。
 「フィルム部門が消滅」というのは、やはりフィルム製造からの撤退なんだろうな~。ああ、悲しい。
 EPR64がディスコンになったときもショックだったけれど、これでT-MAXとかTRI-X(400TX)とかも消滅するのか。あああ、しっかり買いだめするしかないか。
 アナログ写真の世界は、今後、富士フイルムの動向にかかっている。近年もまだアナログカメラを出している企業だからすぐに撤退はないだろうけれど、フィルム部門は重荷だろうし、こちらも明るい将来は見えないな~。やはり、EOS 5D Mark II買おうかしら、、、。

--------以下引用--------

米コダック、フィルム部門が消滅 組織改革を発表
2012/1/11 8:49

 【デトロイト=清水石珠実】米映像機器大手イーストマン・コダックは10日、現在3つある事業部門を2つに集約したと発表した。傘下の事業は「法人向け」と「消費者向け」の2つの部門に分割。100年以上にわたり、同社の主軸を担ってきた「フィルム部門」は消滅した。
 同社は、デジタルカメラ時代への対応が遅れ、約4年間にわたり最終損益が赤字状態。経営改革の出遅れが市場では嫌気され、昨年末に株価が1ドルを下回った。組織改革の計画が報じられた10日、株価は終値ベースで前日比50%上昇し0.60ドルで引けた。同組織改革は、1月1日付で実行済みという。
 デジタル印刷機などを手掛ける法人向け部門はフィリップ・ファラシ共同社長、デジカメなどを扱う消費者向け部門はローラ・クアテラ共同社長が統括。それぞれの部門トップがアントニオ・ペレス会長兼最高経営責任者(CEO)と緊密に連携することでデジタル事業の強化を急ぐ計画。

--------引用終了--------

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2011/03/31

Canon F-1 -(11) 水銀の代わり-

 Canon F-1には露出計が付いている。今聞けば当たり前と思うが、1970年代のライバル機Nikon F2では、スリムなアイレベルファインダーで露出機能は使えず、ごっついフォトミックファインダーが必要だった。ファインダーに露出機能を持たせたNikon F2に対し、Canon F-1はボディ側に露出機能を持たせていた。このためアイレベルファインダーで露出計を使うことができた。

F1_finder

 ファインダー右側に表示される縦長の白い表示のなかの横棒-の指針は光量とシャッター速度で上下に変化する。○は絞りに連動する追針。絞りを動かし追針の○を指針の横棒に合わせると適正露出(逆にシャッター速度を変化させて指針の横棒を追針の○に合わせることも可能)。
 露出測定をしているのは中央の角丸四角の部分のようで全体の12%。これは、手動で露出を合わせるのに、とても便利なシステムだ※。

 露出計を動かすには電池が必要になる。F-1より少し前の時代のカメラ、初代キヤノネットなどには太陽光で駆動(発電)するセレン光電池による露出、AE機能が付いていた。1960年代のカメラの露出とAE機能が、外部からの電力ではなく太陽電池で動いていたのはすごいことだ。しかし、F-1では外部からエネルギー供給(電池)が必要なCdS(硫化カドミウム)素子による露出計になっている。これは、セレンの反応性、精度、劣化などからだろう。信頼度の高い方式を選択したことは賢明だ。

 しかし長い目で見た場合、意外な盲点もあった。クラシックカメラ好きなら誰でも知っていることだろうが、F-1をはじめとした1970年代のカメラに広く使われた水銀電池(MR-9、1.35V)が手に入らないのだ。水銀電池を前提に考えられた古いカメラは多い(OM-1もこの電池だ)。こちらのページ左欄の「適合アダプタの確認はこちら」を見るとびっくり。水銀汚染の問題から世界的に生産中止になったため、もう1.35Vの水銀電池は手に入らない。この手のカメラ趣味に足を踏み入れた人は皆一様に驚くことだが、なんでも揃う(ように思える)この便利な世の中で、1.35Vのこの形状の電池は、なかなか手に入らない。
 ただ、探せば代わる手段はいくつか見つかる。

(1) MR-9(H-D)アダプター
 クラシックカメラの修理や用品販売などを行っている関東カメラサービスが販売しているアダプター。
 1.5Vの銀電池を1.35V相当に変換するアダプター。ただし、ファインダーイルミネーターFに入れたら暗くて使えなかった。電力が小さいのだろうか。3,000円前後とお値段は張るが、一度アダプターを買ってしまえば、中に入れる銀電池SR43は250~400円ぐらいとリーズナブル。でも、この銀電池、小さなカメラ屋やディスカウントショップでは手に入らない。
 私はこのアダプターをメインで使っている。

MR-9 Adapter with SR43 and Battery Case Cap of F-1

MR-9 Adapter (Kanto Camera Service) and SR43

MR-9 Adapter, SR43 and Battery Case Cap

(2) 空気亜鉛電池MRB625
 Wein Cell社製の空気亜鉛電池MRB625。電池の表面に開けてある微細な穴から入る酸素による酸化反応によるものかな。1.35Vで形状も一致しているのが長所。オークションや通販などで手に入るが600円ぐらいと少し高め。封を開ければ、使わなくても自然放電(酸化?)により6~10ヶ月程度で寿命になった。また、低温時に安定しないという話も聞いたことがある。
 下の写真を撮るときに気付いたのだけど、未開封だが表面が劣化(錆び?)しているみたい。消費期限まではまだかなりあるはずなのだが…。

Zinc–Air Battery (Wein Cell MRB625)

(3) アルカリ電池(1.5V)
 海外の何社かが生産しているようで、オークションや通販で入手可能。250円ぐらいと一番安いが、問題は約1割増しの電圧。この1.5Vだと指針の位置が高い(実際より明るい値として計測)。これに追針を合わせると、より絞ることになりアンダーになる。問題は明るいところ(高照度)と暗いところ(低照度)で、ずれの度合いが異なること。ちょっと試した感じでは、高照度のほうがずれが大きい感じ。ASA(ISO)を下げて補正すればうまくいきそうな気もするが、そこまでは確かめていない。カメラ修理業者によっては、この電池(1.5V)で合うように本体の露出設定を調整してくれるところもある。
 私はファインダーイルミネーターF用に購入したけれど、カメラの露出用には使ったことはない。ラティチュードの広いフィルムを使い、半絞りから1.5絞りぐらい適宜開けば利用可能かな。でもそれでは、露出計なしで経験で撮るのとあまり変わりない。

Alkaline Battery (Duracell 625A)

 いずれにしろ最適な1.35Vの水銀電池は、手に入らない。もう多くの人には価値のないクラシックカメラを使い続けるためには妥協も必要だ。できるところで折り合いを付けて、使えるものを使っていくしかない。

※当時の一眼レフでは、ファインダーの全面を平均した測光や、中央部重点測光などの方法もあったようだ。Canon F-1の中央の12%分だけで測る方法だと、露出を合わせたいところに中央部を持っていき適正露出を決め、その後、望む構図に変えて撮ることができる。私にはこれがとても使いやすい。中央部重点測光のCanon A-1を使ったときには、ファインダー内のごく一部だけ明るい(太陽光が入るような)場合などでは、望む露出にならず失敗写真が多かった。

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2011/02/26

軽量級の標準レンズ

 FDマウントのレンズは、1971年~1979年あたりまでのFDレンズ(旧FDレンズ、マウント部分が銀色でスピゴット式)、1979年あたりからのNew FDレンズ(マウントは黒でバヨネット式)に分けられる。
 種々の改良、コストダウンなどがはかられたようだが、その一つに軽量化がある。FDと後継のNew FDでは、プラスチックが多用された後者のほうが軽い。

 軽いNew FDのなかでも(カタログスペック上)一番軽いのはNew FD 35mm/F2.8の165g。次に軽いのがこのNew FD 50mm/F1.8などの170g。
 FDの標準レンズで最も重いFD 55mm/F1.2 ALが605gなので、なんとNew FD 50mm/F1.8の3.5倍。

New FD50mm f/1.8

FD55mm and New FD50mm
▲左New FD 50mm/F1.2L 375g、中New FD 50mm/F1.8 168g、右FD 55mm/F1.2 S.S.C. 505g。重さはいずれも実測値。

 ただ、世には軽くて薄いレンズがたくさんある。
 絶版本「実用中古レンズ特選100本ガイド」に載っているパンケーキレンズたちはもっともっと薄くて軽い。最軽量のXR-RIKENON 45mm F2.8などは、なんと55g!

 そうは言ってもFDレンズの中では最軽量級。この軽さが魅力で入手した。バックパックにカメラを入れてロード自転車に乗って出かけるときには、少しでも軽いほうが良い。これがあれば百人力だ。

Iron Towers

 使ってみて気づいたのだが、このレンズ、絞り羽根が5枚。なので光源を撮ると光芒が5本の五芒星になる。汚い感じはないけれど、ちょっと癖がある。

 意外だったのは暗いところでも強かったこと。当然、F1.2のレンズよりは劣るけれど、F1.8あればかなり暗くても撮れる。お陰で日の入り後の風景もしっかり撮れた。

Fence and Mt. Fuji

 で、入手して2年以上になるのだが、自転車で出かける際に持ち出したのは2回だけ。うち1回は失敗写真ばかりでflickrにもアップもしていない。うーん、まったく有効活用できていない。

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