カテゴリー「演劇」の55件の記事

2015/07/20

贋作幕末太陽伝

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花園神社での椿組椿組の野外公演に行く。
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鄭義信 作・演出。椿組で鄭義信ものをやるときは、できるだけ観るようにしている。今回で4、5回目か。
芝居が始まってすぐ気がつく。「これは、『映像都市 チネチッタ』だ。」新宿梁山泊が当時座付き作家だった鄭義信のシナリオを上演した作品で、1990年、1991年に2回観ている。
このシナリオを、ラスト近くを除いてほぼ忠実に再現した芝居だったと思う。
『映像都市 チネチッタ』は好きな芝居だった。ただ、ちょっと劇の後半は尻すぼみ的な印象が残っている。この日の『贋作幕末太陽伝』は、その尻すぼみ的なところがなかったのは○。演技陣が当時の新宿梁山泊の華がないのが×って感じで、ここは圧倒的な差があった。
映画監督が作品から降りるあたりからの話は、オリジナルの『映像都市 チネチッタ』とはちょっと違った気がする。ただ、このあたりは1990年版、1991年版でも少し違ったと思うのだが、、、。
とにかく好きな芝居だった『映像都市 チネチッタ』を、少し変わったとは言え、再び観ることが出来たのは大収穫だった。と、同時に、鄭義信の新作を観られなかった残念さもちょっと残った夜だった。
そう、配られていた配役などが書かれたリーフレットに、(確か)「金久美子の十三回忌、朱源実の五回忌…」とあった。金久美子のことは知っていたが、朱源実も亡くなっていたとは…。独特の色のある俳優で好きだったのだが、、、。パルテノン多摩での『人魚伝説』のとき、劇中で朱源実が観客に「お兄さんお兄さん、私好みなの」って感じで抱きつく毎回あるシーンで、ちょうど通路脇に座っていたので抱きつかれたのが懐かしい。ああ、彼の演技をもう見られないのが残念。

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2015/06/20

草枕

三軒茶屋のシアタートラムにて。
演劇としては今一つの出来で、途中眠くなる。が、小泉今日子がとても良かった。今まで、演劇では「おかしな二人」とか「楽屋 流れ去るものはやがてなつかしき」、テレビで「すいか」とか「あまちゃん」とか見てるけど、今日はそれをはるかに超える魅力に溢れていた。浅野和之もいつものような変幻自在の使われ方で良い。段田は平均的。小泉今日子があまりに良かったので、劇としての評価が低い割に満足感が高いという、不思議な感じだった。

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2014/12/20

海をゆく者

海をゆく者

パルコ劇場にて。ここに来るのは初めてかも知れない。
吉田鋼太郎の演技がうるさすぎる。浅野和之はいつもどおり絶品。小日向は彼らしい。平田満は目立たなかった。
最後のほうで、終わると思ったところで終わらず、どうやって締めるのかと思ったけど、余韻を残す感じのエンディングが巧かった。笑うところも多かったし不満足ではないけど粗いと感じるところも多く、全体的な完成度としてまあまあレベルかな。

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2014/11/16

魔女の夜/リバウンド

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高田馬場ラビネストにて、友人の劇団(月夜猫)の芝居を観る。二幕構成で後半の脚本は鄭義信。

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2014/09/20

火のようにさみしい姉がいて

火のようにさみしい姉がいて

とにかく舞台美術がすばらしい。マジックミラーと透ける布を使ったセット、鏡の壁などにうなる。劇の内容以上に感銘を受ける。
薹は立ったが宮沢りえは魅力的だし巧い。大竹しのぶは、もう彼女しかできない演技。段田も悪くないのだが、二人の前には霞んでしまう。
話は、同じく清水邦夫の「タンゴ・冬の終わりに」に近い感じ。観終わった後の後味は今ひとつだが、すばらしい芝居だったのは確か。

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2014/07/05

抜目のない未亡人

抜目のない未亡人

超一流の演技を、学芸会のお遊戯のような演出で見せられた感じの芝居。
とにかく悪い意味でドタバタしている。ドタバタ喜劇でも高尚なものはあるし、高尚さがなくたって完成されたものもある。でもこの芝居、全体的な間の取り方は悪く、洗練されていないわざとらしい説明も鼻につき、演出レベルの低さを強く感じてしまう。「夏の夜の夢」あたりを目指しているのかも知れないけど、演出、シナリオ的には褒められるレベルに達しているとは思えない。
しかし、それを補う演技陣の素晴らしさが目に付く。一番は、浅野和之。いやー、すごかった。彼はいつも良いけど、この芝居では本当に凄く、そして魅力的だった。コミカルな役柄だが、指の先まで計算し尽くされた動きに見える。そして大竹しのぶ。変幻自在な役柄の交換のなかでの演じわけに唸る。でも、この演技陣のがんばりがなかったらと考えると、空恐ろしくなる出来だったな。

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2013/12/14

グッドバイ

グッドバイ

 太宰治の未完の遺作「グッド・バイ」をモチーフにした演劇。シナリオ的には締めがちょっとだけ弱い気もするけど、演技陣が巧くて良い芝居だった。
 とにかく蒼井優につきる。登場して数分間口をきかず、喋ったときの河内弁とはすっぱな仕草。それと普通のときの落差がすごい。サド公爵夫人のときも周りの芸達者な女優に一歩もひけをとらないと感じたけど、この舞台では独擅場。凄かった。もう大女優の域だね。それにしても痩せててガリガリ。
 他の面々も決して悪くない。段田安則、高橋克実、柄本佑も手堅い演技。おでんの屋台の店主を演じた半海一晃も目立っていた。山崎ハコはそれなり。
 そう、高橋克実が他人のおでんの皿から具を奪って食べる際、床(舞台)に落としてしまったおでんの具を一瞬見つめて躊躇した後、拾って食べたアドリブに劇場中が大受け、私も笑い転げたよ。

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2013/06/29

ドレッサー

ドレッサー

三軒茶屋の世田谷パブリックシアターにて。
橋爪功が素晴らしい。でも、その素晴らしさを考えても、三谷幸喜の芝居はもういいかな。去年から、国民の映画ベッジ・パードンと観てきたけれど、どれもラスト、ラスト近くの出来が酷すぎて、それまでの良さを打ち消している。

この映画を観てみたいと思って、レンタル屋さんに行ったらVHSしか出ていないし、それも当然絶版。うーむ、残念。

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2013/05/25

アジア温泉

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 初台の新国立劇場中劇場にて。「パーマ屋スミレ」もここだったし、鄭義信は、最近ここが多いのかな。
 新宿梁山泊、1994年の作「青き美しきアジア」(前作)をベースにした脚本。前作とは、いろいろと違うが、一番目立つのは、台詞の多くを韓国の役者が韓国語で喋り、字幕があること。
 でも、それより大きな違いを感じたところがいくつか…。

・前作で島を守る家長にいた息子(少年)がいない。で、さらに、幕間に鄭義信と黒沼弘已が演じた抱腹絶倒のコントのなかで、その息子(少年)が長じて黒沼になったことが示されていた。しかし、今回、幕間(幕はなかったが…)の千葉哲也とちすんの演じるコンビ、温泉掘りの三人と、本筋との関係性がない。そこに、強い物足りなさを感じる。

・島に進出してきた兄弟の弟が死ぬ際、前作は確実な殺人、今回は殺人というより、ほとんど偶発的な事故。そして、死に追いやった家長(父)の悔い、罪の意識が、今回は極端に弱い。それにより、後の展開に対する印象も大きく変わった。

 そんな違いがあったけど、とても良い作品だった。特に、ちすん(今回の芝居で一番光っていた)といつもは喋りがうるさい千葉のやりとりが良く、一幕の終わりのところは涙がこぼれる。だが、しかし、、、全体としては、遠い記憶になってしまった、「青き美しきアジア」は良かったな~。あの、鄭義信と黒沼弘已の幕間のやりとりは、ほんとうにもう一度観てみたい*。

 今回の演劇、日韓の役者によって演じられていて、字幕も入る。日韓のあいだが比較的緊張しているこの時期に、この作品をどうとらえればよいのかは、私には分からない。まあ、でも、それはそれでいいや。
 そう、劇場にはいくつかの即席屋台・露店が設定されていた。温泉と言うより、お祭りの屋台。圧搾空気鉄砲による射的もあって、100円でコーラ4本、飴一袋ゲットしました。この屋台についておられた方って劇場スタッフじゃないかな。本業以外にこんなところまで、ありがとうございます。


*補足:金守珍が新聞かどっかの雑誌で、「青き美しきアジア」後、梁山泊を離脱した鄭義信に対し、「サラリーマンがぼやいているような脚本書いていてはダメなんですよ」(サラリーマンがぼやいている=鄭義信と黒沼弘已の幕間のやりとり部分)と言っているのを読んで、(直接の利害なんかないのに)激怒した覚えがある。あのあたりから、新宿梁山泊観なくなった。

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2012/08/31

まほろば

友人の演劇を観に行く。

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