贋作幕末太陽伝
花園神社での椿組椿組の野外公演に行く。
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鄭義信 作・演出。椿組で鄭義信ものをやるときは、できるだけ観るようにしている。今回で4、5回目か。
芝居が始まってすぐ気がつく。「これは、『映像都市 チネチッタ』だ。」新宿梁山泊が当時座付き作家だった鄭義信のシナリオを上演した作品で、1990年、1991年に2回観ている。
このシナリオを、ラスト近くを除いてほぼ忠実に再現した芝居だったと思う。
『映像都市 チネチッタ』は好きな芝居だった。ただ、ちょっと劇の後半は尻すぼみ的な印象が残っている。この日の『贋作幕末太陽伝』は、その尻すぼみ的なところがなかったのは○。演技陣が当時の新宿梁山泊の華がないのが×って感じで、ここは圧倒的な差があった。
映画監督が作品から降りるあたりからの話は、オリジナルの『映像都市 チネチッタ』とはちょっと違った気がする。ただ、このあたりは1990年版、1991年版でも少し違ったと思うのだが、、、。
とにかく好きな芝居だった『映像都市 チネチッタ』を、少し変わったとは言え、再び観ることが出来たのは大収穫だった。と、同時に、鄭義信の新作を観られなかった残念さもちょっと残った夜だった。
そう、配られていた配役などが書かれたリーフレットに、(確か)「金久美子の十三回忌、朱源実の五回忌…」とあった。金久美子のことは知っていたが、朱源実も亡くなっていたとは…。独特の色のある俳優で好きだったのだが、、、。パルテノン多摩での『人魚伝説』のとき、劇中で朱源実が観客に「お兄さんお兄さん、私好みなの」って感じで抱きつく毎回あるシーンで、ちょうど通路脇に座っていたので抱きつかれたのが懐かしい。ああ、彼の演技をもう見られないのが残念。
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