FDレンズをSONY α7で使う
SONY α7入手の最大の理由は、FDレンズを元の画角のまま使えること。
2008年4月にCanon F-1に手を出して以降、何やかやで、今やFDレンズ資産は15本以上になっている。マウントアダプタをかましてm4/3でも使ったけれど、画角が狭くなってしまう(焦点距離2倍相当の望遠側の絵となる)。これは広角フェチな私には耐えられなかった。
↑この写真を撮るときに数えたら18本だった。その1/3は標準レンズ。
ということで、α7購入と同時に宮本製作所(RAYQUAL)のCFD-SαEマウントアダプタを注文。
到着後、さっそくいくつかのレンズで使ってみたけど、かなり調子良く使える。今までフィルムでしか使えなかった、またフィルムなりの制約のあったFDレンズ群に新たな息吹をもたらしてくれた感じ。
一ヶ月ちょっと使ってみてのインプレ・印象は以下のとおり。ただし、FDレンズ、マウントアダプタではなく、α7の機能に依存するところが多い。
・フォーカスが合わせやすい。
ピントが合った部分の輪郭を強調表示するフォーカスピーキング機能でだいたいのピントを合わせ、さらにビューファインダーの画像を拡大するMFアシスト機能で、ピントを精細に追い込むことができる。
これによってマニュアル(Canon F-1)より精度の高いピント合わせが可能になった。特に暗いところで顕著。Canon F-1ではファインダーを覗いてスプリットマイクロの上下の画像のズレを頼りにピントを合わせてきたが、暗いところでは難しかった。でも、α7の場合、拡大し自動で明るく表示してくれる。
この機能を使っていて気付いたことが一つ。合っていると思っていたレンズ(New FD20-35mm f/3.5L)の無限遠が、ずれた状態であったこと※1。広角端では∞(無限遠)マークの少し手前が無限遠の合うポイントだった。つまり今までこのレンズで撮った風景写真は、すべて少しずれていたということで大ショック!(ただし、絞って被写界深度が広くなっていたものも多いはず)。
↑SONY α7とNew FD20-35mm f/3.5L、ISO1600、1/60。MFアシストでしっかりピントを合わすことができた。
・今まで使えなかった暗い環境で撮れる
カラーフィルムの場合、通常使えるのはISO400までと個人的には思っている。それ以上の高感度フィルムは色味、解像度がぐっと落ち、特殊用途になる感じで使わなかった。ISO400では、F1.2とかの明るいレンズで街中の灯りとかが撮れる。でも、暗めのレンズに夜の出番はなかった(私、基本手持ち撮影なので…)。
しかし、α7の場合、(個人的には)ISO1600は常用、ISO3200でも実用。これってすごい。
上の写真はISO3200。この魚眼レンズ、開放でF5.6という暗いレンズだが、ISO3200、1/40、F5.6で手持ちで撮れた。もしISO400のフィルムなら1/5秒と手ぶれ必至(手ぶれ補正もないし)。
下の写真はISO6400、1/10、F5.6。ここまで上げると、さすがに色味が変だしのっぺりとし、細部の粗が目立つ。でも、手持ちで撮れるのです。
こんな感じで、FDレンズとα7の組み合わせには、惚れぼれ。今後、フィルムの使用頻度が下がるのは間違いない。特にカラーネガフィルムは、もう使わなくなる気がする。一部のカメラは手放すことになるだろうな。
★SONY α7+FDレンズ関連の写真はこちら。
補足※1:マウントアダプタは元もと、無限遠などが少しずれているレンズでも使えるように、無限遠が合う少し先までピントリングが回るように設計されているという話もあるようです(つまり∞マークの手前で無限遠が合う。ただし真偽不明)。もし、そうだとしても今回、無限遠の合うポイントが複数のレンズで少しずつ異なっていたので、いくつかのレンズはずれている可能性が高いです。それを詳細に調べるのも面倒なので、適宜使っていきます。
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コメント
無限遠の少し手前って、意識してそうなっているのかと思ってました。
機械的に、行足りない?のを嫌ってるのかなーって。
投稿: amat | 2014/01/18 13:59
ぴったり設計すると、無限遠が近い方に狂っているボロレンズで無限遠が出なくなるのを避けるため意識的に作っていると、どこかで読んだ記憶があります。でも、それは基本的な設計思想としては間違っているような気がするし、最短撮影距離も変わってくることを考えると、ちょっと眉唾です。ただ、マウントアダプタメーカーも多いし、すべてのメーカーが同じ思考とも限らないでしょうね。
投稿: ひゅ~ず | 2014/01/20 05:46