人類は文明社会を維持するのに失敗しつつある
(昨日の続き)
小学校のころ、「全世界の人口は36億人」と習った。これを見ると1970年に36億9600万人だったようだ。その42年後の現在は70億人と、40年で約2倍。人口倍増の上、一人当たりの消費エネルギーも増加している。炭酸ガス排出量だけでなく、いろいろな面での環境負荷は倍以上だ。
これだけ増えた人々の欲望を満足させるのは、困難になってきている。そのような不満の滞留の中に、国内問題から目をそらすための対外対立のクローズアップもある。
現在の潮流は、エネルギー消費を抑え、環境への負荷を減らし、資源を守るという方向とは逆に向かっている。
エネルギーをばんばん使って、炭酸ガスどんどん出して、汚染物質撒き散らかして、海洋資源を食べ尽くしている。ごく一時代を見れば「最大多数の最大幸福」を追求しているように見えるが、こんなの続くわけはない。「最大多数の最大幸福」を長い世代を通じて維持するという「持続性」の概念が抜け落ちている。
結果、環境は悪化し、気候変動の農作物不作で禁輸・飢饉になり、社会がどんどん不安定化し、公衆衛生の低下、紛争・戦争が頻発し、その流れがそれ自体を加速させるというようなスパイラルにはまっている。
根本的なところには人口増加がある。たった40年で人口が倍増するという人口爆発を人類はコントロールできていない。ゆっくりと平和に人口を抑制し(そして減少させ)ないと、結局、破滅的で急激な人口減少の時代がやってくる。それらは、戦争、虐殺、餓え、環境悪化、疾病などいろいろな顔をもっている。
もっと楽観的だった十代の頃は、人類はこの戦いに勝ち、より良い世の中が来ると思っていた、、、いや盲目的に信じていた。しかし、それから40年経って、明らかに負けつつあるこがはっきりしてきた気がする。破滅的な急激な人口減少がいつ起きるかは分からない。でも100年以上先ではない予感がする。その予感と、それに対して何もできない自分の存在が、腹立ちと憂鬱の源なのだろう。
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