映画:未来を生きる君たちへ
★★★★★
アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞 最優秀外国語映画賞ダブル受賞作品。邦題は『未来を生きる君たちへ』、原題はHÆVNEN、英題はIn a Better World。原題の意味は「復讐」らしい。
文句なし。本当に素晴らしい映画です。ずっと緊張を強いられるところはちょっと辛いが、そんなことも忘れさせる出来。スサンネ・ビア監督は、偶然観た「ある愛の風景」も良かった。この人の映画、できる限り観てみたい。
子供たちの個人的な復讐と義憤に駆られての復讐、そのようなことを否定しつつ許せない言葉に怒り、結果的に難民の復讐に手を貸してしまう親。そして、子供たちの行動にハラハラさせられ、どのような結末が待っているのかと注意を引っ張る展開など、とても見事なシナリオ。
子供含めて演技陣も良い。彼らの魅力を十二分引き出している。映像的には、「ある愛の風景」でやっていた「一つの動作を撮っているカットの合間のゼロコンマ数秒を抜き」というのを、もう少し長いスパンで使い、時間の経過を観るものに伝える手法を使っている。
2011.9.7追記:「告白」はアカデミー賞外国語映画賞に日本代表として出品されたが、ノミネート作品(最後の5本)には残れなかった。その年の受賞作品がこれ。どちらも復讐をテーマに扱いながらも、ここまで崇高な作品を作れるのだ。このような時代性、地域性を超えた普遍性のある作品は、今日本でどれくらい撮られているのだろうか。
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