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2010/12/11

Pioneer PL-30LⅡの修理(というよりニコイチ)

 28年前、学生時代に買ったレコードプレイヤーがついにダメになる。数年前から回転時に小さくゴリゴリ鳴るようになった。最近回転ムラがひどくなり、ワウワウ状態。聴けません。我が家ではレコードがかけられない生活は考えられない。ということで代替機を探し始めたのだがなかなか見つからない。

 壊れたのはPioneer PL-30LⅡ。どうせなら操作にも慣れたパイオニアの上位機種にしたい。だとするとPL-70LⅡPL-50LⅡ(またはPL-50L)。しかし、オークションでは大枚賭けたがPL-70LⅡの良品で競り負けるし、オーディオユニオンの中古品のPL-50LⅡはタッチの差で売約済み。うーむ。だいたいこのモデルはトーンアーム中央部に入れた高粘度のオイルを抜かずに運搬されて、オイルがメカに入り込んでいるものも多く、状態を見ないで買うのはリスキーだ。困った。

 体調不良で自転車に乗れない本日、しかたないので車でハードオフを何軒か回ることにする。最初は西遊馬、次に桶川、そこから順次下っていって自宅に戻るまでに10軒ぐらい回るコースを組む。4軒目の上尾本町にあったのが下の写真のもの。

 目指していたPL-70LⅡとPL-50LⅡの良品はなく、PL-30LⅡのジャンク品。アームレスト破損、ウェイトなし。ウェイト調整ネジもないし、アームパイプもないという悲しい状態。ただし、ジャンク品だけあって、たったの3000円。本日のPL-70LⅡ・PL-50LⅡ予算の1/20ぐらい。動作を確認すると回転は安定している。ということでお買い上げ。
 自宅プレイヤーの故障は駆動系ではあるが、モーター自体なのか制御系なのか、はたまた他の要因なのかは分からない。スキルがあれば解析して、コンデンサーなどの交換だけで直せるのかも知れないけれど、その力もない。ということで、駆動系一式すべて載せ替えてしまおうという目論見。
 で、ハードオフ回りも途中で切り上げ、さくさく帰ってジャンク品の分解から始める。うーむ、分解するための情報もないし、構造も機能も分からない。壊さないように、再組み立てができなくならないように、試行錯誤しながら慎重に分解、組み立てを進めていく。

◆手順(備忘録)
(1) 事前準備:ダンパーオイルを取り除く。アームのウェイト類とアームパイプを外し固定する。ターンテーブル(プラッター)を取り外す。ダストカバーとヒンジを外す。
(2) インシュレーターを外したのち、底蓋を固定している木ネジを外す。
(3) つながっているケーブルを痛めないように、ケーブルのつながっている後側の反対側(前側)から底蓋を開く。
(4) 底蓋とつながっているケーブル類を外す。モーター側基盤のコネクタ、トーンアームのコネクタ、トーンアームから底の金属板につながっているアース線の計3箇所。これらを外すと底蓋が外れる。
(5) 裏返しにする。トーンアームとモーターを傷めないように2脚の椅子の間にひっくり返した。
(6) 大まかに分けると中は、(A)トーンアーム、(B)大きな基盤と基盤と線でつながっていて外せない部品群、(C)小さな基盤のついたモーターユニット、の3つに分けられる。
(7) 大きな基盤からトーンアームにつながっているコネクタを外す。
(8) 大きな基盤とつながっている部品類を本体から外す。写真上側2箇所には、それぞれスイッチ基盤と発光ダイオードの基盤が本体に固定されているので、そのネジを外す(計4つの基盤)。他に、左下、右下の部品が本体に固定されているのでそのネジを外す。注意:大きな基盤と部品とのあいだは外さず線でつながったままにしておく。

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↑写真では(試行錯誤の最中に)トーンアームを外しているが、この手順では外す必要はない。

(9) モーターユニットから大きな基盤につながっているコネクタを外す。
(10) 大きな基盤自体を固定しているネジ3箇所を外す。これで基盤とそれにくっついた部品類がいっしょに外れる。基盤を外した後が下の写真の状態。モーターユニットはもう固定されておらず、そのまま外れる。

Img_7011

(11) 移植先側では、逆に(10)から(1)の順に組み付けていく。

 で、組み付けが済み、アンプにつないで祈るような気持ちでスイッチを入れる。・・・・・・完璧です。まったく問題ない。美しい音が復活しました。
 ああ、嬉しい。購入に3時間、試行錯誤しながらの分解組み付けに3時間ぐらいかかったけれど報われました。これでまたレコード生活復活。でも、上位モデルのPL-70LII、PL-50LIIを手に入れそこなったのは、ちょっと残念。

Img_7015

※この2台、同じPL-30LIIであるが、基盤のコンデンサーなどの構成が少々異なっていた。シリアル番号からジャンク品のほうが新しいようだが、設計の変更などがあったのだろうか。
※パイオニアにPL-70LIIの修理を依頼したときの情報については、こちらをご覧下さい。
※ここに記載した手順を参考にしてうまくいかなくても、当方一切の責任はとれません。また、この件についての質問にも一切お答えできません。

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