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2010/08/03

映画:ウディ・アレンの夢と犯罪/マイレージ、マイライフ

映画:ウディ・アレンの夢と犯罪/マイレージ、マイライフ

ウディ・アレンの夢と犯罪 ★★★☆☆
 原題は「CASSANDRA'S DREAM」。
 最初から最後まで、鬱陶しいほどの緊張感に包まれている。恋人たちがヨットに乗っている行楽姿も、観るほうからは全然楽しそうではない。この後に来るドラマ、それも悲劇を最初から予感させる。その緊張感と来るべきカタストロフィーのトーンが強すぎて疲れる。ウディ・アレン自身が出演し、彼のちょっとひねりの利いた弾丸トークがあると違うのだろうが、抜いたりテンポを変えて息を付けるところがない。決して楽しい作品を望んでいるわけではないが、これでは辛すぎる。作品の緻密さ、完成度は高いが観終わっての満腹感はない。出演陣は皆好演。ただ、好演レベルを超える演技は少ない。そのような中、主人公兄弟の父親役がいちばん良い印象を残した。

マイレージ、マイライフ ★★★★☆
 シナリオも演出も演技もカメラも優れているハリウッドの佳作。
 年300日以上、全米各地を飛び回ってリストラ宣告をするエキスパート。血も涙もないかと言えばそうでもなく、彼なりのやさしさ、ポリシーもある。しかし、ネット経由でのリストラ宣告を導入しようというプロジェクトとその顛末、最終的に彼が陥る空虚な感覚などに、リストラ宣告屋たる彼らの仕事を好意的に見ていないことを滲ませている。映画の冒頭でリストラを宣告された数人に、映画の最後で彼らのその後について発言させているところは興味深い。
 いろいろと考えさせられるところはあるのだが、雇用の流動性が高く簡単にクビを切れるアメリカでしか成立しない映画だろう。ただ、そのアメリカを日本は後追いしている。
 原題の「UP IN THE AIR」はなかなか上手いタイトル。またその味を出したかたちで訳せないことから付けた邦題「マイレージ、マイライフ」はお見事。これで観客動員面でかなり得をしていると思う。


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コメント

ご無沙汰しております。また得な二本をご覧になりましたね。僕どちらもかなり好きな映画です。
ウディ・アレンは毎年の様に映画撮っているあたりはフットワークの軽さを感じますが、確かに仰られる通り内容はかなり濃いめの感じがしました。
対して『マイレージ・マイライフ』の方は今時の若い、それでいて確実な演出力を感じました。また機会あったら観直したいです。

投稿: IMAO | 2010/08/10 08:48

IMAOさん、お久しぶりです!
老いても撮り続けるイーストウッドが脚光を浴びてますが、ウディ・アレンもずっと撮り続けているんですね。ちゃんと娯楽作品としても通じるレベルの作品を…。今回の作品は私は今ひとつでしたが、できあがったレベルを含めてすごいことです。ハビエル・バルデムが出ている「それでも恋するバルセロナ」を観たいのですが、ロードショーで観逃してからチャンスがないです。

『マイレージ・マイライフ』の方は話の展開、残す余韻など、計算し尽くした巧さを感じます。クルーニーは、『フィクサー』に続き、(選んで)似た風合いの良い作品に出ていますね。

投稿: ひゅ~ず | 2010/08/10 23:42

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