映画:飢餓海峡
★★★★☆
3時間以上の長編。途中、中だるみと感じるようなシーンが多い。特に娼婦の八重の暮らしぶりの描写が長い。これを切ってサスペンス部分をつなげたほうが良いのではと思ったが、終わってみると違った。底辺の暮らしから抜けだそうと思いつつ、うまくかない彼女の暮らし、犬飼に対する思慕、荒れた戦後の世相。このような描写の数々によって、彼女が殺されたときの余韻と犯人の樽見の葛藤が、観る者に強く伝わってくる。長い邪魔な描写と思われたシーンの積み重ねに大きな意味を持たせたシナリオ、演出の勝利。最後の結末は、今の時代に観ると典型的なお定まりの締めかたに思える。しかし、このようなエンディングのマスターピースだったのではないかな。出演陣は皆好演。左幸子、伴淳三郎、三國連太郎、皆すばらしい。三國が現在の佐藤浩市にそっくりなのに驚く。
【GPS情報】
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