映画:避妊革命/赤軍-PFLP・世界戦争宣言
避妊革命
1966年、足立正生監督・脚本作品。"性教育ピンク映画"の第二弾。「堕胎」ほど話の流れにインパクトはないが楽しめる。最後のとってつけたような、明日を目指して旅立つハッピーエンド(?)が小気味よさを残す。主演の寺島幹夫がこの映画でも好演。
赤軍-PFLP・世界戦争宣言
今回の特集で一番観たかった作品。カンヌ映画祭の帰り道にベイルートに立ち寄って足立と若松が撮影したフィルムにナレーションなどを加えたもの。日本赤軍、PFLPの完全なるプロパガンダ映画。この映画によって実際にどれほどの若者がパレスチナに渡り、日本赤軍に加わったのだろうか。制作側として煽るだけでなく足立、さらに他の若松の周りのメンバーも実際に日本赤軍に合流している。そういう意味では、ある種の責任というか実践は果たしたというか、ミイラ取りがミイラになったというのか、、、。ただし、結局彼らの革命は失敗した。それを考えると罪な映画だ。政治活動、そしてそれに類するプロパガンダ映画は結果で判断されるべきものだろう。そういう意味では、時代によって失敗が宣言された映画だ。
内容的には今観ると、イデオロギーを論じる頭でっかちなところ、特に重信房子の発言がまったく理解不能。人の言葉で語れる革命ではなかったのか。PFLP のメンバーが毛沢東語録とかを含めた共産主義思想を拠りどころにしているのが新鮮。当時は当たり前だったのだが、廃れて時間がたったためか存在を忘れかけていた。共産主義のイデオロギーを頼りにしていた人々は、その崩壊とともに宗教(イスラム教)を拠りどころにするようになったのだろう。
今この映画を観ることには何の障害もない。政治的な勧誘もないし、逆に公安のチェックもない。日本赤軍はなくなり、パレスチナでの運動は変化している。この映画も時代的な影響力、インパクトは過去のものとなり、歴史的な資料になっているのだろう。
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