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2009/10/03

映画:秘花/狂走情死考

映画:秘花/狂走情死考

銀座シネパトスでの若松孝二特集。特集自体は1カ月間続く。
17:15から若松監督と足立正生監督の45分間のトークショーを聞く。内容的には、すでに聞いたこと、撮影での内輪ネタ的なことが多く、このとき聞いた若松監督の"独演会"ほど面白い(興味深い)ものではなかった。
※備忘録:映画館にはA7出口が近い(A6は閉鎖中)。

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秘花
 1972年の作。ロケオンリー、低価格で作られた映画だと思う。
 学生運動での敗北感、それから来る死と心中への願望などが、浜辺と棄船を舞台に描かれる。それに、セックスする姿を多めに絡めた映画。ピンク映画、ポルノ映画なのだろうけれど、現在の基準からすると倫理規定のためか、ソフトな描写。37年後の現在観ると頭でっかちで嫌なところと、情緒的な描写に惹かれるところが入り交じった感じ。
 モノクロ基調だがところどころに退色したカラー映像が挟み込まれる。この退色は制作者の意図か、それとも経年劣化によるものか。

狂走情死考
 警察官の夫を誤って撃ち殺した兄嫁と学生運動に身を投じている弟の逃避行。「秘花」と違い舞台設定もストーリー展開も普通の感じ(の始まり)。しかし、死んだはずの兄が終盤、突然現れるところが唐突で不自然。不条理劇という作りにはしていないし、どう解釈すれば良いのか悩むところ。まあそういう作品と素直に受け入れるしかない。映像的にはそつない。主演女優の袖里を演じた武藤洋子の独特の魅力と雰囲気が、この作品の色を決めている。

【GPS情報】
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