映画:新宿マッド/天使の恍惚
今日も銀座シネパトスの若松孝二特集に行くのであった。
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新宿マッド
1970年作。65分と短め。息子を殺された郵便局員の父親が、田舎から出てきて真相を探るために新宿をさまよう。その中で描かれる若者の生活、風俗、感覚などなど。
このところ見ている若松作品のなかでは珍しく年配が主人公。暴走し反逆する若者の姿に対してもあまり肯定的に捉えていないところも異色。
今このような題材で映画を作ったとしたら、真実を求める父親は寡黙で格好良い中年にし、ハードボイルド調にするだろう。でもこの映画の父親は、良くしゃべり、女々しく、息子を失った悲しみを言葉にする。犯人を捕まえても真相が分かっても、息子は戻ってこないことを十二分分かっているが、止められない。その葛藤が、ださくて饒舌で格好良くない姿からひしひしと伝わってくる。
天使の恍惚
1972年作。このところ観ている若松作品の中では長めの89分。
爆弾でのテロリズムを行おうとする主人公たちの目的、意識などが、37年後の今観るとほとんど伝わってこないし、肯定的に見られない。一般市民を巻き添えにする無差別テロについての批判意識のなさが意外なほどなのだが、当時のムードはこうだったのだろうか。
【GPS情報】
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