映画:腹貸し女/新日本暴行暗黒史/復讐鬼
腹貸し女 ★★★★☆
1968年の作。足立正生脚本。先週までに観た作品と比べると、学生運動、テロリズムなどとの直接の関わりが薄い。それは併映の「新日本暴行暗黒史/復讐鬼」も同様。1968年作なので、1970年ごろの作品との2、3年の違いのためなのだろうか。
内容、映像とも緻密。今まで観た作品の中のいくつかは、やっつけ仕事、勢いで撮った映画というものもあったが、これは違う。吉澤健演じる新聞配達をする夜間学生の走って配達する姿をしつこくとるところなどに、感じるものがある。ピンク映画としての絡みなどのシーンはそれなりに入ってくるが、内容的には「ピンク」ということを超えたレベルの高い作品。話の終わり方も、珍しく明るい明日を感じさせる雰囲気で驚く。吉澤健、門麻実が好演、ジャックスの音楽も秀逸。
新日本暴行暗黒史/復讐鬼
1968年の作。足立正生脚本。津山三十人殺しをモチーフにとった復讐劇、、、というか村人皆殺しの虐殺復讐劇。古い因習、閉鎖的な世界の抑圧、そこで殺されかけ妹を犯され失った男の復讐の動機は非常に理解しやすい。その復讐、虐殺などは、当時の日本社会、村的な社会構造自体に向けられたものだろう。そう言う意味では、直接的ではないにしろ過激な社会運動への擁護・共感の色があるようにも思える。
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