映画:黒い画集 寒流/黒い画集 ある遭難

久しぶりの新文芸坐。「本当に面白かった日本映画たち」という日替わりの特集。
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黒い画集 寒流 ★★★★☆
大銀行の支店長。エリート御曹司である同級生の常務に女をめぐる争いで恨まれ左遷。女は常務に盗られ復讐を試みるが…。
シナリオ、撮影、演技陣、どれをとっても水準以上。宮口精二、志村喬など名優を脇役で出しているのも上手い。なかなかの佳作。用意周到に仕掛けたはずのスキャンダルネタが効果を生まず、結局復讐は失敗し失意の主人公の後ろ姿で映画は終わる。単純な復讐成功劇で観る者の溜飲を下げるよりはるかに良いエンディング。そして、サラリーマンの悲哀の内容全体に普遍性があるところが良い。
黒い画集 ある遭難 ★★★☆☆
銀行の上司と部下3人の登山パーティ。一人が遭難し、その経緯が山岳雑誌に掲載される。遭難に疑問を持った姉は、山男の従兄弟とパーティのリーダーだった上司に遭難現場への献花を頼む。その道中で明らかにされるいろいろな疑惑。
これまた、シナリオ、撮影、演技陣、どれをとっても水準以上。
疑問のかけらもないような遭難の経緯だが、従兄弟によって徐々に新事実が明らかにされる。山行きの前、上司が帰宅した時に家が荒れていて妻がいないことから動機もほぼ予想がつく。ただし最後の展開はいかがなものか。松本清張の原作がこうなのかもしれないが、ちょっと安易。ただ、このような結末でもう少し違和感なく作ることもできたのではないかな。
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