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2009/05/25

鳥の予行演習の豚

 GW前、メキシコでの豚インフルエンザウィルスの人人感染の広がりのニュースを見たとき感じたのは「これはやばい」だった。情報感度の高い同僚とも「かなり危ないよね」と話をした。
 しかし、その後のいろいろな情報が分かってくるにつれ、それほどの大問題にはならないという感じが強くなってきている。死亡率は季節性インフルエンザの4倍だけど0.4%(これはさらに下がる可能性もある)。20%~60%にもなると言われる高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)と比べると比べものにならないくらい低い。
 確かに、感染性が高いし、感染者総数が多くなれば死者数は無視できない数になる。感染者が一時的に急増することによる社会システムの麻痺、社会の動揺などもあり、まったく無害だとか安全、安心だとかは言うつもりはない。しかし、今後この豚インフルエンザで社会システム全体に大きな麻痺が起こることや、集団ヒステリー、パニックが発生することはないのではないか。このとき買ったマスクも今回は使わないで済むだろう。
 それと同時に、今回の豚インフルエンザの蔓延は、近い将来来るであろう高病原性鳥インフルエンザのパンデミックに対する予行演習になったと思う。今回の蔓延でも、検疫の難しさ、検疫をすり抜ける例、学校を通じて広がる感染、診察拒否、発熱外来への患者の集中、保育所や学校が閉まることによる出社できない親、、、まだまだ上げれば切りがないぐらいの問題が浮かび上がっている。当然、これは鳥インフルエンザへの備えに活かされるはずだ。そういう意味では、この豚インフルエンザの蔓延自体は、日本、そしてWHO、世界にとっても良い予行演習であったと、歴史的には言われるようになる気がする。

※上のように書いてはいるけれど、インフルエンザ自体はそれなりに怖い。老人や体力のない人には致命的になる例は少なくない。自分としても、数年に一度は罹っていると思うけれど、何日間か続く高熱は非常に辛いし、それが引いても2週間ぐらいは体力が戻らない。個人的には、季節性でも豚でも(もちろん)高病原性トリインフルエンザでも罹りたくないというのが正直なところ。

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