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2009/04/13

カラシニコフⅠⅡ

カラシニコフⅠⅡ
 アフリカや中南米、世界各地の紛争地帯で使われる自動小銃「カラシニコフ」について、多様な側面から取り上げた松本仁一の労作。カラシニコフが安価で高性能なこと。カラシニコフが紛争地帯で普通の人々を迫害するのに使われる状況、国家レベルでの密輸密売など、カラシニコフを鏡として世界の「今」を映し出している(ただしその「今」は取材時なので数年前だが)。
 原子爆弾やロケット技術は、20世紀後半の軍事的な力関係を大きく変えた。原子爆弾、弾道ミサイルは目立つが、ロシアの木訥とした一人の技術者が作り上げたカラシニコフがなければ、世界はまた大きく違うかたちになっていたに違いない。この本を読むと、それぐらいインパクトのある兵器だったことが理解できる。
 この手の小火器は、対人地雷やクラスター爆弾と同じく問題視され、規制の対象となっている。数十年間、戦争で使われていない核兵器と違って、日々人々の命を奪っているのだから当然だろう。カラシニコフはその代表選手と言える。「人類史上もっとも人を殺した兵器」、「小さな大量破壊兵器」とまで呼ばれているようだ。
 しかし、砂漠でも熱帯雨林でも極寒の地でも、故障もせず、簡単に扱えて部品数も少なく、低コストで作れる。その素晴らしい設計と、その設計者にはある種の尊敬の念を抱かずにはいられない。芸術的なレベルと言えるような設計によって作られたある種の作品と言える銃。その持つ美しさと同時に、それがもたらす破滅的な結果との対比に唸ってしまう。

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コメント

やはり弾頭質量の持つ制圧力、鋼板プレスで作れてしまうレシーバーなど「殺人のための道具」としての割り切り方がストーナーの『理想の具現化』とは次元が違うのでしょう。

いまや法務執行官レベルですら5.56mmや9mmピストル弾は使わないようです。マンストッピングには大口径、質量弾の世界は100年前にもどっています。

投稿: うちいけ | 2009/04/14 00:12

M-16の影響を受けて、AK-47からAK-74の小口径化、銃弾を貫通せず体内に滞留させる改造など、いろいろな変化があるようですね。ただ、兵器についての知識が少なく、総合的な歴史と趨勢の話についていけません。(泣)

投稿: ひゅ~ず | 2009/04/14 07:42

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