映画:無法松の一生
久しぶりにフィルムセンターに。この映画、名作の誉高いが、検閲で重要なシーンが欠落したものしか残っていないという記事を学生時代に読んだことがある。その当時から観たかった作品。
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★★★★☆
戦時中は日本の当局に軍人の妻への慕情の部分が切られ、戦後は立ち回りシーンをGHQに切られ、ストーリーがつながらなくなってしまった映画を評価できるのかという問題はあるが、それを加味しても傑作だと思う。1958年にリメークされた完全版をどこか(の映画館)で観てみたい。
カメラ、カットが秀逸。最初の2階の窓からカメラが外に出ていき、通りを捉えるところからもう殴られたようなショックを受ける。すごい。カメラはというと、なるほどね、、、宮川一夫だ。シナリオ、演出でのちょっとした間を入れ方、緊張の抜き方も上手い。ただ、明らかにここはカットされていてつながらないという箇所も目立つ。山中貞雄の「丹下左膳餘話 百萬兩の壺」の殺陣シーンのカットも悲しいが、この映画のカットはもっと重大なところに及んでいる。
演技陣ではとにかく板東妻三郎が圧倒的。粗野でいて優しく、気っ風の良い車引きを本当に魅力的に演じている。彼に目が釘付け。吉岡敏雄の少年時代を演じていたのが長門裕之で驚く。
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