Canon F-1 -(9) 箱入り-
Canon F-1マニアな私の手元には、現在F-1が3台ある。すべてF-1前期型。1台は最初に入手したメイン使用機、もう1台がサブ使用機(未紹介)、そして今回の"鑑賞用保存機"。ほとんど使っていないという謳い文句の品で、傷も微小、裏蓋内の擦れも少ない美品。ただし、保存環境が今ひとつだったようで若干白い黴が出ていたが、カメラ本体は徹底的に掃除したし、レンズはニコイチで復活させた。
パトローネ(フィルムカートリッジ)室に打たれている管理番号はL8***。1960年がAで始まるキヤノン年号によれば1971年8月製となる。軍艦部に打刻されている製造(シリアル)番号は122819。
F-1前期型は1971年から1976年まで製造され累計20万台前後なので、1年あたり4万台。製造番号は10万番台から始まり30万番台に入ったあたりで終わっている。122819というのは22819台目の番号になるので、やはり発売年の1971年製、つまり38年前の品。最初期モデルとは言わないまでも、そこそこ初期のものだ。よく見ると、外観や(すぐ見ることのできる)内部の細かな仕様が、前期型の後半と若干異なる。
入手したものは、オリジナルの箱入りだった。付属品として、レンズフード、レンズキャップ、フィルター、ストラップ、カメラケース、ボディキャップ、説明書が入っていた。ただ、オリジナルの付属品と比べて何が欠品になっているかは不明。
箱の形状と外観は途中から変更(簡略化?)されたという話もあり、このタイプの箱はF-1前期型でも早い時期だけかもしれない。(2009/08/06追記:20万番台前半でこのタイプの箱入りをオークションで見かけました。どうも早い時期だけではなかったようです)
下のように、箱に書かれている番号と、本体とレンズの製造番号が一致している。これは当然と言えば当然なのだが、箱を含めてこのようなセットで残っているものは少ない。私は安価に入手したけれど、某ショップでは目玉が飛び出るような値がついている。箱の製造番号の記載が手書きなのは時代を感じさせる。
それにしても"鑑賞用保存機"を確保するようになるとは…。まだ紹介していないアクセサリー小物もいくつかあるけれど、もうこれ以上、F-1本体とアクセサリー類に執着し、蒐集するのは止めようと思う。で、次なる道を目指すのだが、、、次はどのカメラに…(以下略)。でもF-1後期型(F-1N)は、1台だけ(←当たり前)でいいから欲しいな。
(※撮影はすべてCanon PowerShot G10)
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コメント
OM
ですか・・・
投稿: か | 2009/03/13 08:50
ど・ど・どーしてそれが……!?
投稿: ひゅ~ず | 2009/03/13 09:26
OM-1ブラックも鑑賞に足ると思いますよ、残念ながら私のはシルバーですが。
カンパのブラケットと同じ握り具合です、程よいサイズで適度な重さ(笑)良いレンズの入手が大変ですが。
F−1Nは初期型に比べると「ありがたみ」が薄いですよね。孤高の初期型に比べるとA-1、AE-1の兄貴、という感じがします〜。
投稿: うちいけ | 2009/03/13 09:52
既に入手済みで、内池さんと一緒のシルバータイプのOM-1ユーザーになっております。OM-1、OM-2というと私にとっては、シルバーボディという印象が強く、こちらのほうが好みかも。モルトを自分で交換し撮れる状態になっているのですが、忙しくて手がついていません。触ってみての印象は、F-1ほどの剛性感、押しの強さはないですが、ミラーアップのショックは軽いし重量も軽く、手になじむ。デザインも素晴らしい。鑑賞コレクション用として入手したのですが、ガンガン使う方向に変えようかと思いつつあります。しかし、そのためにはレンズが…。
投稿: ひゅ~ず | 2009/03/13 12:14
なぜこのようなF-1が出てくるのでしょうね。
主人の(父の)形見だったので数年間はそのまま大事に保管されていたが、やがて形見分けされたかたも歳をとり、時間の経過とともに、身近では誰にも適当な管理方法がわからず…とかでしょうか。
いずれにしても凄いお宝そうで、感服でございます。
投稿: まつい | 2009/03/13 18:47
ヤフオクでの入手ですが、カメラに詳しくない出品者の父親の所有物だったようです。オークションでの商品写真のクオリティが低く、程度が悪い感じだったので激しい競争にはなりませんでした。品質的には賭けだったのですが値段の割にはかなりお得でした。形見という感じではなく、父がいらないからもらって出品したという感じ。買って1、2回使ってあとは防湿剤を入れてタンスの中で30年という感じだったようです。で、防湿剤をまめに交換していないので、若干のカビ。オーバーホールに出すと、「ここまですごい油切れはなかなかない」って言われました。
投稿: ひゅ~ず | 2009/03/13 19:13
マニアな人が亡くなったりすると、
側の家族には、ゴミも同然となるのが相場じゃないですかね、。
なんとかオフ狙いの人が、掘り出し物話で言ってました。
しかし、ゲットできて良かったですねぇ〜
F-1のケースを装着しっぱなしなんですが、冬場にそのありがたさを知りました。
ボディーを直接持つと手が斬れそうに、冷たさ通り越して痛いです。。。
投稿: MoBlue | 2009/03/17 10:39
私の場合も、家族にとっては自転車もカメラもゴミ同然なので、どういう扱いを受けることになるのか…。自分がくたばるときには、カメラも自転車も価値の分かる人に受け継いでもらいたいものです。でも、その日はいつくるのだろう。
ハードオフはカメラ系掘り出し物の宝庫と聞いて、少し前に一日で4店ほど回りましたがろくな物はありませんでした。こまめな巡回でもしていないとダメみたいですね。でも家の近くにないのでちょっと無理です(が、近くにあったらあったでいくらでも買いそうで怖いです)。
投稿: ひゅ~ず | 2009/03/18 00:31
はじめまして。F-1(美品)の検索で、たどり着きました。
なかなか良いお品ですね。初期のマッチングの箱付きですね。
初期品は、ファインダーにモルトの腐食が出やすいのですが、OHをされたので
あれば、心配ありませんね。ご存知と思いますが、初期品はファインダーの加工も
前期品とは違う部分がありますので、マッチングのファインダーも大事にしてやって
下さい。
私も、F-1は好きで、うちにも大量に増殖しましたが昨今はさすがに眠ったままに
なってしまっています。FDマウントは、アダプタでいろんなものがつけられるので、
10年ぐらい前は色々と遊んでいました。
投稿: Tan | 2009/08/12 02:14
Tanさん、はじめまして。コメントありがとうございます。私のようなにわかF-1ファンとは違った見方、知識などありがとうございます。この個体は出来る限りこのままとっていきます。このところの銀塩とFDをめぐる状況は寂しいものがありますが、できれば今後もフィルム中心、デジカメ補助でやっていければと考えています。
投稿: ひゅ~ず | 2009/08/12 23:03
こんにちは。レスありがとうございました。
本当に、コダックの動きを見ていても、フィルムはつらいですね。それとは別に
個人的にも乱視の度が進んできていまして、右目は矯正しきれないので、ピント合わせも
つらくなります。
10年前とかには、おねえちゃん写真をずいぶん撮っていたのですが、(N)F-1のような
良いファインダーで体調その他がぴったりくると、マットでピントが来たのが
ピッタリわかる、ということがあるんですよね。ピント面の数mmの位置で勝負する、
そういった作業は、もうできないだろうなあ、と思っています。
別のエントリで、50/1.2Lを使われていた際のコメントがあったと思いますが、
55/1.2 S.S.C. Asphericalっていうのは、個人的には大好きなレンズでしたので
もしも機会があれば、ぜひ使ってやってみてください。85/1.2や24/1.4は
そんなに好きでないのですが、55/1.2ASPだけは気に入っています。ただ、使う
場合には120万代とかにした方が無難です。このあたりになると、そんなには
黄色くなりません(硝材の変更があったのかもしれません)。
それでは。
投稿: Tan | 2009/08/14 21:56
私も五十近くになってカメラ趣味を再開したこともあり、ピントには苦労しています。なのでピントをしっかり決め被写界深度を浅く撮った写真は少なめです。(おねいちゃんの)ポートレートを撮る機会がまったくないのもあるのですが(花などもあまり撮らないし)。
FD 55mm F1.2 S.S.C. Asphericalはとても魅力的なのですが、今のところは手を出せていません。硝材の変更は私も聞いたことがあり、最後の1、2年のものは黄変がほとんどないと聞いています。値も張ることもあり、腰を落ち着けて探していきます。
投稿: ひゅ~ず | 2009/08/15 09:13