アフリカ苦悩する大陸
アフリカの現状をレポートした労作。市井に生きる人々の取材と同時に、社会、経済、国際関係などを包括的に捉えている。この包括的な捉え方は、松本仁一よりうまい。著者は、日本、韓国でも生活し取材をしてきた人のようで、西欧だけでなく、アジアの成長国との対比にも説得力がある。
汚職、治安の悪化、部族主義と国家意識の欠如、教育の欠如、エイズをはじめとする衛生問題、経済停滞、、、ここで紹介されているアフリカの国々の状況はとてつもなく厳しい。しかし、著者は諦めておらず、その中の光明、進むべき姿を示唆しており、共感を感じられる。そう、アフリカやアジアの劣悪な労働条件を西欧のメディアやNGOが咎めて工場などを引き上げることが、その国の人々のために必ずしもなっていないことなどは目から鱗だった。それ以外にも重要な情報が山積み。図書館で借りた本だが、自分で買い直そうかと思う。
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