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2008/12/02

アフリカ・レポート―壊れる国、生きる人々


 アフリカについての秀逸なレポートを書き続けていた松本仁一の本。朝日新聞で連載されていた内容をまとめたかたち。彼の「アフリカを食べる」とかカラシニコフの連載はすばらしいものだった。この本も同様にすばらしい。
 政府の腐敗、治安の悪化、他国の干渉などにより、多くのアフリカ諸国、特にサハラ以南の国々は、厳しい停滞のなかにある。その実態が、ごく一面ではあるがリアリティをもって伝わってくる。そのような中に進出する中国の存在感がすごい。また草の根的に努力し成果を上げつつあるボランティア団体、小規模企業などに将来の希望を感じさせる。
 それにしてジンバブエの例を見ても、上手く回っている国を中から破壊するのは本当に簡単であることが分かる。上手く回っている歯車のどこかを止めればいいだけなのだ。それは政府の腐敗による富が社会に還元されないことだったり、生産システムの破壊だったり、治安の極端な悪化だったり、本当に簡単だ。腐りかけているところはあるにしろ、今の日本社会の少しは上手く回っているところを維持、伸ばしていくことの重要さを再認識する。
 あとがきによれば著者は朝日新聞を退職したらしい。六十代後半のようだが、ぜひこれからもアフリカに関する取材、レポート、著作を続けてほしい。

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