映画:リリイ・シュシュのすべて
久しぶりにシネマヴェーラ渋谷に。岩井俊二特集の最終日最終回。
---------------
★★★☆☆(←後日修正)
叙情的で美しく、無残で残忍で不毛な映画。でも頭にこびりついて離れない。悪い点をつけられないのは、映画的な力と美しさと凄さ、そしてこれが現実に起きていることと感じさせるリアリティ。今年観た映画の中でもっともインパクトがあったけれど、決して好きな映画ではない。
主人公を巡る過酷な状況を徹底的に描く。それは本人に対してだけでなく、想いを寄せている女の子、、、そこまでは持ち上げるだけ持ち上げて美化した女の子、、、に対するレイプと、そのことへの荷担と悔いを描くまでの念の入りよう。その状況から自分の心を守るためのリリィ・シュシュの音楽への傾倒と掲示板でのやりとり。その掲示板での最大の理解者がいじめの張本人だ。彼が殺人を犯す必然性、説得力は十二分ある。
しかしその荒廃を超えるものがない。自分を守る精神世界があまりにも自分に閉じすぎている。安易な解決やハッピーエンドを求めているわけではないが物足りない。こんなのでいいのか? 報道でもドキュメンタリーでもない劇映画ならば、それを超えたものがなければ成功作とは言えない。
[GPS情報URL]
http://walk.eznavi.jp/map/?datum=1&unit=0&lat=%2b35.39.23.07&lon=%2b139.41.55.21&fm=0
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント