映画:白い馬/赤い風船
自分が提案した練習会は、食あたりの腹痛で欠席。チームの皆さんすみません。で、腹具合が悪かろうが、空いた時間は映画に行く。お腹は重いし、朝から食べ物はおろか水も飲んでおらずひもじい。でも10時のモーニングショーだけの上映だし、あと2週間で終わってしまうのでしかたない。
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「ホウ・シャオシェンのレッド・バルーン」を観て、観たくなったアルベール・ラモリス2本立て。朝10時からのモーニングショーだけど、4分程度の入り。
白い馬 ★★★★☆
1953年カンヌ国際映画祭グランプリ受賞【短編】。上映時間は40分。フランス南部の海に面した丘陵地帯が舞台だが、時代設定は撮影されたころなのか。今から五十年少し前に、野生の馬の群がこの地域にいたのだろうか。
馬を追う場面、囲い込んだ馬に紐をかける場面、リーダーの馬同士の闘い。とてもダイナミックに捉えている。人でないので演技させることはできないのに、それをうまくつないでストーリーに組み込んでいる。少年の美しさ、白い馬の気高さ、それを捕まえ侵そうとする馬追い(牧童)たち。どのように結末かと思っていたが、そこから逃れるためには、やはり「死」を暗示させるかたちしかなかったのだろう。馬や少年、馬追いが象徴しているものはいろいろに解釈でき、普遍性がある。
少年フォルコを演じたアラン・エムリーがとても端正。「僕の村は戦場だった」のニコライ・ブルリャーエフに匹敵する存在感。現代であればさぞかしもてはやされたことだろう。
赤い風船 ★★★★☆
1956年カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞【短編】。1956年アカデミー賞脚本賞受賞。上映時間は36分。主人公を演じたパスカル・ラモリスは、監督の子供らしい。「白い馬」にも弟役で出演していた。
「白い馬」と似たモチーフ。ただし、ファンタジー的な終わり方に爽快感が残る。パリの街の生きいきした姿、子供らしい感情と悪ガキたちのいたずら、どれも魅力的だ。赤い風船、悪ガキども、最後の浮遊が何を象徴しているのかは、いかようにも解釈できる。それが馬でなく、赤い風船というより抽象的なものなので、観る者の想像力はさらに刺激される。ホウ・シャオシェンがこの映画に対するオマージュとして「ホウ・シャオシェンのレッド・バルーン」を撮ったことが分かるような気がする。
「レッド・バルーン」での小学校から出てくるシーン、窓の外にたたずむ赤い風船、パリの町並みの捉え方などは、「赤い風船」を強く意識している。そう、「レッド・バルーン」のソンの存在は、「赤い風船」の風船そのものであったことに気がつく。
↓手ぶれでぶれぶれ。
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