で、捻挫していても映画は見れるのだ。映画を観に三軒茶屋まで来たのははじめて。ここ(三軒茶屋シネマ)は地方の古い場末の映画館って感じ。椅子は古く狭く軋む。お客も近所のおじさん、おばさんが多い。エンドロールが流れているのに立ち上がる人多数だし、「上映中は使わないで」と書いてあるドアからも、どんどん出入り。うーむ。
---------------
フィクサー ★★★★☆
なんと言っても、謀殺を指示する農薬会社の法務担当が良い。シナリオの中での重要かつ巧妙な位置付け、その大責に応えるティルダ・スウィントンの演技ともにすばらしい。自分の決断におののきながら突っ走る。最後の対決シーンでの崩れ落ち方も見事。この落ち方のインパクトでストーリーの穴が隠されてしまう。
他にも人物描写の巧さが目立つ。主人公の性格と苦境、周囲の人物が丹念に描かれる。それが8万ドルの臨時ボーナス、アーサーを売ることとつながりを感じさせ、最後の対決シーンでの罠に、映画を観る者も一瞬はめられる。それ以外にも、主人公を留置所から出す警察官の弟の焦燥、金を持ち逃げされた従兄弟のみすぼらしさ、息子とのやりとり、非常に計算された演技・演出の連続にうなる。
ただ、ストーリーの根幹の部分はどうなのだろう。農薬会社のとってつけたような訴訟と隠蔽、アーサーの動機の無茶苦茶さと自己に対する無防備さ、謀略側がアナを張る必然性のなさ、最後の逆転で彼女を有罪にできないのではという根拠の薄さなど、穴が多い。ただ、演技、映像、展開の巧さで、観ているときにはそれほどの違和感もなく2時間が過ぎる。
映像も見事。いかにもハリウッド映画らしいゴージャスな画面。被写体深度を浅くとって効果を出しているところが目立つ。そう、最高級クラスのベンツを惜しげもなく吹っ飛ばすのにもびっくり。
最高の人生の見つけ方 ★★☆☆☆
老いていく老人のためのドリームムービー。ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマンの演技、存在感は良いけれど、シナリオはご都合主義だし、映像も今一つ。退屈はしなかったけれど、全体としては今ひとつ。二人が仲良くなるまでにもう少し起伏があっても良いし、二人の生活、人生観の違いをもっと強調すべきと思う。その上、終わり方があまりにも典型的と思わせるところも損をしている。全体としては毒にも薬にもならない感じ。ただ昨年、私も1ヶ月の入院をし、苦しんだ経験があるため、入院中の治療の辛さの部分には思わず感情移入してしまう。
彼ら二人が世界旅行をするシーンの多く(エジプト、インド、ヒマラヤ、香港など)は、実際には行かないでのセット撮影や合成ではないのかな。光の方向とか粒子のそろえ方などは巧妙だったけれど、他のシーンとの差が目立つ。
[GPS情報URL]
http://walk.eznavi.jp/map/?datum=1&unit=0&lat=%2b35.38.22.13&lon=%2b139.40.19.66&fm=0
最近のコメント