Canon F-1 -(3) 直線基調の重量級-
最近のデジタル一眼レフカメラは総じて曲線基調のデザインである。しかし昔のカメラは、だいたい直線基調のデザインではなかったかと思う。これは素材もあるだろう。現在のデジタル一眼レフの外装はプラスチック中心。対するF-1は金属、それも真鍮である。デザインの流行というのもあるだろうが、なだらかな丸みを帯び、かつ高精度な筐体を金属で作るのは難しかったのではないだろうか。
金属の外装となれば必然的に重くなる。ボディだけで実測825g、同時に入手した標準レンズ(FD 55mm F1.2 S.S.C.)が505g。合わせると1330gという重量級。これはこのフレーム+フォークの重量より重い(え?、比較対象が変ですか?)。
ハイエンドのデジタル一眼レフにはもっと重いものもあるけれど、最近は200g程度のコンパクトデジカメしか使っていなかった身にこの重みはこたえる。でも、なぜかカメラを構えたときには手に馴染む。金属のひんやりとした感じも心地良く、手にすっぽりとはまる感じがする。剛性や強度も優れており、キヤノンの営業マンが強度を見せるためにカメラの上でジャンプしたとか、投げ飛ばして凹んでも使えたとか、逸話には事欠かない。
塗装も厚く強い。ただ、私の手に入れた個体は、角が擦れて真鍮の地肌が出ているところが何箇所もある。多くの修羅場を越え、いろいろな場面を捉えてきた勲章なのだろう。大事に使い込まれた実機という感じで悪くない。
Canon F-1 (撮影:CASIO EXILIM EX-Z4)
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