手間がかかる
この数年使ったカメラといえばデジカメ。それもコンパクトのお任せ設定タイプだった。久しぶりに手にした一眼レフはマニュアルフォーカス、マニュアル露出。撮るためには、(1)ファインダー内の指針を頼りに、被写界深度を考えて絞りを設定し、シャッター速度を合わせる(またはその逆、必要なシャッター速度を設定した上で絞りを合わせる)、(2)ピントを合わせる、という2段階の手作業が追加になる。いや、正確には昔はすべてこうだったのだけど、自動露出、オートフォーカスが後から登場したのだ。面倒だけど、F-1は露出計を内蔵しているのでまだよい。露出計がないカメラの場合、勘と経験で合わせるか、別途、露出計を用意しなくてはならない。
いずれにしろ撮影には時間がかかる。だいたい1枚1分はかかるかな。今回の旅行では相方に、「まだ、終わらないの。そのカメラぐず」と言われた。でも、時間をかけるということは、一枚いちまい構図を考え、露出、フォーカス、光の方向などを十分吟味することにつながる。世知辛い、スピードと効率重視、使い捨ての世の中に反旗を翻す、、、というほどではないけれど、ちょっとそこから一歩を踏み外した感じが良い。これからは一つひとつのシャッターを大事に押して、一枚いちまいを丹念に撮っていくつもり。
不動沢橋レストハウス(磐梯吾妻スカイライン)、Canon F-1、New FD20-35mm/F3.5L、プロビア100F、2008/05/04
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
旧いカメラは面倒だけど、その「面倒さ」がたまらなく楽しかったりします。僕はPENTAX645ですけど、コレを使っていると、やっぱり絞りはレンズの所についている方が感覚的に判りやすいし、ピントだってオートフォーカスのマニュアルモードよりずっとピッタリ来る感じがします。なによりも写真は「何が写っているのか判らない」というミステリアスで曖昧な所が何よりも好きだったりするので、アナログ、フィルムカメラはなくなって欲しくないと切に思います。
自転車だって不便だけど、慣れれば自動車よりも電車よりも楽しい所がたくさんある。世の中「便利」と「効率」だけではないのだなー、とチャリとアナログカメラを使っていると思う昨今であります。
投稿: IMAO | 2008/05/26 11:03
今のところは、IMAOさんの言う「面倒さ」にはまっています。当分はまりそうな気もするのですが、「撮るテーマがない」ところに危うさがあります。
このところ時間がない割には、時間と手間のかかる趣味に走っています。スローフードならぬ、スローな写真、スローな音楽などなどです。仕事以外では「効率」とか「スピード」に背を向けることが多くなっているのですが、アナクロ、回顧的な方向過ぎるのではと悩むことも…。そう、今は6×6のカメラシステムがほしくなってきたのですが、最低一年は手を出さないようにしようと決心しています。
投稿: ひゅ~ず | 2008/05/26 22:21