シネマヴェーラ渋谷でのケイブルホーグ配給作品の特集。なぜか「ケーブル・ホーグのバラード」自体は上映されない。
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ストレート・トゥ・ヘル ★★☆☆☆
1987年の作。B級犯罪映画、マカロニウェスタンへのオマージュとして作っている作品なのだろうけど、イメージのみが一人歩きしている感じで空回りしている。ロバート・ロドリゲスの「フロム・ダスク・ティル・ドーン」、「プラネット・テラー in グラインドハウス」みたいに、その作品としても破綻すれすれだけど見事な出来で完結しているように持っていくのには才能が必要なんだろう。
ジョー・ストラマーは死んだのは2002年だった。パンクムーブメントの中の雄、もっとも男らしかった(男っぽさを売りにしていた)ストラマーだけど、若くして死んでいる。クラッシュ以降はあまり恵まれない感じだったな。確か、この2映画の年後にジム・ジャームッシュの「ミステリー・トレイン」に出演している。他の一風変わった出演陣、グレース・ジョーンズ、ジム・ジャームッシュは一発で分かったけれど、エルビス・コステロの出演シーンは分からなかった。
フィツカラルド ★★★★★
いや、すごい。壮大な夢と野望と挫折。巨大な船を山に登らせるスペクタクル。打ちのめされました。今年ここまでで観た映画で一番です。降参です。
映画が始まって少し後、マナウスからイクイトスに戻ってきて上陸するシーン。背景に広がる湾の風景にまず圧倒される。アマゾンの美しい風景、手に汗握る船を山を登らせる場面。映像的にはここぞというところで圧倒的なものを配置している。シナリオにも文句のつけようがない。緊張感を強いられるシーンに、ちょっと笑えるエピソードを挟んだりで言うことなし。演技陣も、主人公のフィツカラルドを演じたクラウス・キンスキー、主人公を愛し助ける娼館の主クラウディア・カルディナーレ、癖のある船員たち、誰もが好演。特にクラウス・キンスキーが強烈な印象を残す。そう、船を登らせる大仕事を手伝う先住民の描き方も大きな違和感がなく、彼ら独自の価値観と共に描かれている気がする。いやいや、本当にすごい映画でした。
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