映画:恋するマドリ/檸檬のころ

恋するマドリ ★★★☆☆
恋をしながらも、その恋しい男性とひょんなことから知り合った彼の元の彼女のよりを戻せないかと試みる二十歳の女性の心の動きを描く。
そつのない描写で飽きはしないが、普遍的なもの、強く訴えてくるものが少ない。気の抜けたサイダーみたいなペラペラの甘ったるい後味しか残らない。もう少し骨太さというか、観終わったあとの重みが必要ではないか。
アツコの出発に間に合うように空港に向かうところから、最後の引っ越しの前までがハチャメチャすぎで白ける。ただ、最後の最後の引っ越しの部分で若干締めているので救われる。 主演の三人とも好演だが、その中でも松田龍平が好印象。普通の人を普通に見えるように自然に、かつ印象的に演じている。
檸檬のころ ★★★★☆
美化されすぎのところがあるけれど、受け入れやすい内容。普遍性も十分あるし秀作。それにしても、キスもしないし手さえ握らない。携帯電話も出ないし、いつの時代を舞台にしているのかと一瞬悩む。
田舎であるからこそ、都会、東京に出たいという気持ち。自意識過剰のロック少女の将来への希望とギャップ。突然降りてくる創作の時。終わりがくるここでの生活への惜別。異なる道に進むため別れる恋人同士。いろいろなエピソードがうまく絡められている。そのなかでもロック少女白田の失恋と自分自身への嫌悪に対する肯定的なストーリー展開に思わずほろりとしてしまう。どちらかというと白田を演じた谷村美月のほうが強い印象を残す。寡黙かと思わせて、仲が良くなるとしゃべりまくる愛らしいキャラを上手く演じている。対する加代子を演じる榮倉奈々のほうは上手いというより、本人自身が持つ清廉さが引き立つ。「バーバー吉野」でお洒落な坂本を演じた石田法嗣が出演していた。あの映画では小学生を演じたが、こちらはでは成長して高校生。
映像的には、アンバーがかった夕暮れ、川にノートを破って捨てる遠方から逆光で撮ったシーンが印象的。また、人物をあおりで撮っているのが多かった印象がある。
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