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2008/04/19

映画:サッドヴァケイション/転々

映画:サッドヴァケイション/転々
サッドヴァケイション ★★★★☆
 冒頭のジョニー・サンダース(Johnny Thunders)の歌「Sad Vacation」が泣ける。彼が死んでもう20年ぐらい経つのかな。

 なんの予備知識も持たずに観たら、最初の説明的な字幕で「Helpless」の続篇であることがわかる。さらに最初の光石研と斉藤陽一郎の掛け合いから、彼らが「EUREKA」のシゲオと秋彦であることが分かり、さらに驚く。「EUREKA」で秋彦が言っていた「自分がヤクザに殺されかけたとき友人が助けてくれて、ヤクザは自殺、友人は失踪」と言っていたのは「Helpless」のことだったのだと、やっとこのとき気付く。いやー、そうか~、あの2本の映画は秋彦を通じてつながっていたのか~(え、「前観たときに気付けよ!」ってか?)。
 この映画を観て感じるところはは「EUREKA」と似ている。「Helpless」とも通じる。私が受け取ったメッセージは明快である。「どのような状況でも人は生きていかなくてはいけないし、どのような人でも生きていく場所がなくてはいけない」  荻上直子の「めがね」を観たときにはマンネリを感じたけれど、青山真治が繰り返し表現するテーマに違和感はない。それが現代に欠けていて、それを訴えることに強い共感を感じるからだろう。それだけで、この3本の映画は評価できる。
 映画の広告などの中では、女性たちの包容力が強調されていた。石田えり演じる母役の間宮千代子の包容力を指してのことだろう。しかし、それよりも逃亡者や半端者を守るために彼らを雇い、息子を殺されても殺した健次と彼の子を宿す女性を受け入れる間宮繁輝の描き方に強く惹かれる。単なるお人好しではない。火葬場で石田えり演ずる母が異様に無神経な発言をしたときに頬を叩くのも印象的。
 非常に出来の良い作品と思うけれど、2つだけ引っかるところがある。最後に明かされるユリの素性が意外ではあるけれどあまりにご都合主義的に思えること。「Helpless」と「EUREKA」を観ていない観客には分からない、意味がないだろうと思える箇所が多いこと。また、「Helpless」、「EUREKA」にしろ登場人物のその後は、観るものの想像力に任せておいたほうが良かったのではないかとも思う。でも、「EUREKA」の梢のその後の姿を見れて安心したのだけどね。
(※ストーリーをうまく紹介することができないので、興味のある方はこちらを見てください)

転々 ★★★☆☆
 オダギリジョーはサッドヴァケイションにも脇役で出ていたが、同じ人物とは思えないぐらいの演じ分け。それよりもなによりも、三浦友和が良い。彼だけが光る作品。「台風クラブ」とか何本か見てきたけれど、ここまで好印象なのは初めて。監督が彼の魅力を最大限に引き出している。
 話自体は面白いし、しんみり残るところもある。しかし、スーパーの従業員三人組の入れ方はどうなのだろう。彼らの登場シーンは笑えるし、作品全体に飽きがこないようする意図はわかる。でも結局、枝葉末節で終わっているところは大きな疑問。

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