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2008/03/03

映画:おとうと

映画:おとうと
今日は大入り。ほとんど満席じゃないかな。これでこの特集に来るのも終わり。再来週からは時代劇特集だけど、同時期に新文芸坐でやる2007年日本映画特集のほうに重きを置く予定。

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★★★☆☆
 演技、演出、映像、どれも出来の良い作品。テンポも悪くないし、退屈もしない。でも全体的に今一つ響いてこない。題材とシナリオのせいか。非行に走り、死病の病に侵される弟。彼を暖かく見守る気丈な姉。長く続く死の床での看病……。現在見ると陳腐な感じが強い。でもこれが陳腐なのではなく、この作品がスタンダードでそれを模した作品が頻出したからそう感じるのではないかな。
 岸恵子、森雅之、田中絹代、それぞれ好演。森雅之と田中絹代というと「雨月物語」が思い浮かぶ。ただ、演技の方向性、質はだいぶ違う。市川崑と比べて、溝口での二人は、ゆっくりしゃべり、しっかり間をとり起伏が強い印象がある。川口浩は、どの映画を見ても彼独特の色がある。それが演技的に突き詰めたものではなく、地と若さからくる魅力のみの感じが抜けきらない。
 女学校から生徒が出てくるところを上から撮るシーン、落馬した後、夕暮れの土手で姉弟二人座って話すシーンなどが美しく印象に残る。他にもカメラは秀逸だけど、カットの切り替えなどには感銘を受けない。音楽の入れ方は洗練されていない。

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