Angélique Kidjo@Blue Note Tokyo
いやー、大満足。パワフルで攻撃的なライブだった。Blue Noteのステージの上に上がって曲に合わせて踊るという稀有な体験をする。
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バックメンバーは、アコースティックギター、エレキギター、ベース、ドラム、パーカッション。そのメンバーでインストルメンタルを1曲。そして、Angélique Kidjo登場。
最近のアルバムでは、しんしんと強く響くように歌う曲が多いので、じっくり聴かせる演奏かと思ったらまったく違う。ノリノリでパワフルなライブなのだ。動作も大きいし、アフリカっぽい(?)踊りも頻繁に混ぜる。最近のアルバムでは初期の頃の高い声は出なくなっていたが、普通の音域は凄く出ている。とにかくパワフル、パワフル、パワフル。絶唱型の音圧が強いボーカルで、得意な音域は完全に出切っている。リズムも良いし、ノリノリの演奏で楽しいよ。
曲の合間は、客を煽る。「ノリが悪いゾ」、「こら一緒に歌わんか」、「手拍子しろ」、「ほら立って踊れヨ」って感じで煽りまくる(英語だが)。で、「帰ったら東京の客はノリが悪かったって言う」とか、「お前らの歌声が聞こえないんだヨ」って感じで耳を立てるし…。でも歌のノリもリズムも抜群にいいし、しゃべりも嫌味じゃないんだよね。笑っちゃう感じ。途中、グローバリズムに対する批判を喋ったり、「アフリカにはかわいそうな人たちしかいないのではなく、普通の人がほとんどだ」とか、発言も攻撃的。
最新アルバム中心の曲目だったけど、アンコール最後の曲は皆からリクエストを取り、「Agolo」(実は一番大きな声でリクエストしたのは私)。で、ステージ近辺の客に「ほれ、ステージ上がって踊れヤ」っていう感じで、10人ぐらいがステージに上がって歌に合わせて踊るは、マイクを向けられて歌わされるは…(当然私も上がったよ)。いやいや歌のパワーは抜群、ドライブ感もあるし、楽しい、無茶苦茶楽しい1時間半のライブだった。手拍子と拍手のしすぎで、左手親指が内出血だぜい。
※追記:Blue Note TokyoのWebページ(http://www.bluenote.co.jp)にあった12/9の2ndステージのセットリストは下記のとおり。これに、アンコールとしてAgoloが加わっている。
1. ITCHE KOUTCHE
2. PAPA
3. DJIN DJIN
4. AROUNA
5. MAMA GOLO PAPA
6. GIMMIE SHELTER
7. IEMANJA
8. SENAMOU
9. AFIRIKA
10. TUMBA
11. SEDJEDO
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Angélique Kidjoを知ったのは1994年夏。スペイン駐在の友人のところに遊びに行った帰りの飛行機の中だった。エールフランスの機内音楽の1チャンネルが民族音楽、、、というかアフリカンポップスだった。機内では暇だったし、だいたい1時間ぐらいの音楽番組を3、4回繰り返して聴いたかな。
当時はミュージックマガジンを読んでいたし、パシフィコ横浜で行われた民族音楽のコンサート(ウォーマッド)や、クラブクアトロで行われたパパ・ウェンバとか、マハラティーニ&マホテラ・クィーンズのコンサートとかにも行っていたし、その手の音楽にとても興味があった。
機内の案内雑誌には、曲名と演奏者が載っていたので、気に入った曲をチェックして持って帰った。
帰国後、池袋WAVEとかタワーレコードとかいろいろなところに行って、メモにあった6曲、6人のミュージシャンのCDを探したのだがこれが見つからない。結局見つかったのは、Angélique Kidjoの「Agolo」(アルバム「Aye」)と、Pepe Kalleの「L' Argent Ne Fait Pas le Bonheur」だけ。半年程度は探したけど、残り4曲、4人はどうしても見つからなかった(この紙切れもなくしてしまった→なんと見つかりました。)。また、ミュージシャンの情報もほとんど入手できない。ミュージックマガジンでも見ない名前だった。Webの普及が始まるか始まらないかのころで、ミュージシャンのサイトなんてあるわけないし、検索エンジンもない時代だ。こうなると、フランスの音楽雑誌でも読んでいない限り情報入手は不可能。
買った2枚のアルバムのうち、Pepe Kalleのほうは今ひとつだった。飛行機で聴いた曲が入っていなかったのかもしれない。でも、Angélique Kidjoには、もう完璧にはまった。「Aye」に入っていた、「Agolo」と「Lon Lon Vadjro」は何回聴いたか分からない。
そのうち、Webの普及とともにAngélique Kidjoの知名度が上がったことで、いろいろと情報が入ってくるようになった。そしてついに13年後、生でそれもステージからたった5mの席で、Angélique Kidjoの演奏を聴くことができたのだ。
[GPS情報URL]
http://walk.eznavi.jp/map/?datum=0&unit=0&lat=%2b35.39.39.93&lon=%2b139.42.56.44&fm=0
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