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2007/04/01

映画:敬愛なるベートーベン/あるいは裏切りという名の犬

映画:敬愛なるベートーベン/あるいは裏切りという名の犬
さてさて、練習疲れで眠らないですむか。腹具合も今ひとつ。
※結局、眠りもせず、腹も痛くならずに過ごすことができた。ホッ。

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敬愛なるベートーベン  ★★★☆☆
 第九の発表会を4日後に控えたベートーベンの元に若い女性が採譜のためにやってくる。ベートーベンと彼女の師弟愛以上、性愛以下の関係が描かれる。
 オープニング、アンナが馬車で移動するシーンが良い。汚れた人々の姿がその時代を感じさせる。そのシーンは青く、彩度が低い。そこから話は過去に遡り、普通の色合いになる。あと、速度の速いズーミングを使ったクローズアップを何カ所かで使っていて新鮮。
 ベートーベンは偏屈で傲慢な人間として描かれる。ただ、あまりにもティピカルで平板的な描き方ではないのか。
 第九の指揮を外からそんなに簡単に伝えられるものではないのではと感じる。個人的には、指揮というものはもっと複雑で高度で高貴なものと思っている。甥が舞台脇から第九の演奏を見て涙するところはとってつけたよう。最後、アンナがドアから外に出て野原を歩くシーンの時制がはっきりしない。その前ともつながらず唐突なエンディング。
 ところどころ光るところもあるけど、良いところとダメなところが混在した作品。やはりこのようなテーマであればアマデウスと比べられてしまう。あれよりは落ちる。


あるいは裏切りという名の犬  ★★★★☆
 パリ警察の二人の警視。以前は友人で一人の女性を愛したこともある。出世と自己保身、犯罪捜査の主導権などに絡み二人の関係は変化し、はめられた一人は妻を失い刑務所に入る。
 レオンが逮捕されるまではテンポが良い。そこからは陰鬱な話の展開に合わせてだるくゆっくり進む。そのゆっくりさ、うっとうしさによって、主人公が陥れられた罠・泥沼に対する憤りを観るものに意識させる。全体をとおして、話の展開への細かな布石が効果的。最後のどんでん返しも観るものに適度な安堵を与えて良い。シナリオ的にはかなりイケてると思う。
 主人公の警視二人はいい演技だけど格好が今一つなのが残念。特にレオン役は渋い、、、けれどもオーラーが足りない。
 ざらついた彩度を抑え目の画面、寡黙なシーンが多いこと、作品全体を貫く焦燥感と諦観。フィルム・ノワールのこのあたりの雰囲気って昔から変わっていない気がする。

※フィルム・ノワールってフランスのギャングとか暗黒街映画と思っていたのだけど、ちょっと違うみたいね

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