映画:周遊する蒸気船/ナイアガラ

周遊する蒸気船 ★★★★☆
ジョン・フォード監督、1935年の作品。インチキくさい薬を売るドク。甥が正当防衛の殺人を犯し、甥の彼女といっしょに無実を証明するため古い蒸気船で奔走する。
非常にテンポが良い。最初、ドクは甥の連れてきたのが沼の女と気にくわなかったのに、彼女が窮地に陥ると文句なく助けるくだりの面白さ。蒸気船で蝋人形館を営業するところも笑わせる。蒸気船の競争で燃料が足りず船を壊して燃やし始めるところやニューモーゼを船に引き込むところ、聖職者の彼が燃料をくべるのを手伝ったり、酒の入った薬を火にくべるところなどは映画館中大受け。
エンディングで、賭けで勝ち取った新しい船で仲むつまじい二人、そして後ろのデッキでひとり寛ぐちょっとさみしそうなドク。このようなハチャメチャな話の締めかたとしては本当に見事。予定調和的でご都合主義のストーリーだけどツボを押さえた娯楽映画の秀作。ジョン・フォードって重めの作品しか観たことがなかったけれど、こんな痛快な作品もあるんだ(ただし、「駅馬車」は観ていない)。普遍性のある傑作と思うけど、黒人の描き方、知性が低い道化師的な役どころが時代を感じさせる。
ナイアガラ ★★★☆☆
会社のアイデアコンテストで優勝しナイアガラでの休暇をもらった若夫婦。宿泊先のロッジで出会ったグラマーな美人と偏屈な夫のあいだで起こる犯罪に巻き込まれる。
1953年の作品。マリリン・モンローの出世作なのかな。確かに彼女に目がくぎ付け。他の出演者が皆地味に見えてしまう。「甘い生活」のアニタ・エクバーグもすごいセックスアピールと存在感があったけどマリリンもそれに劣らない。
愛人の靴を履いて現れたのが死んだはずの夫というところは巧いが、他はあまり優れたシナリオに思えない。映像的には光るものがある。とにかくナイアガラ瀑布が美しい。そしてマリリン演じるローズが塔の鐘突きホールで夫に殺されるシーンが見事。アングルと影が織りなす美しい殺人場面にうなる。
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