映画:MIDORI/夜がまた来る
シネマヴェーラ渋谷の90年代の日本映画特集に行く。
いろいろ観たいけど何回来られることか。
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MIDORI ★★★★☆
兄夫婦と古い一軒家で暮らす女子高生。日常生活の中での、セックス、友人の自殺、近親相姦的な兄、兄嫁との闘争、セックス絡みの新興宗教っぽい集会、暴力、、、一見非日常的な諸々のことが、日常的に描かれる。
淡々とした調子で進んでいくがテンポは良く、まったく退屈しない。でも、どう評価して良いか悩む。心地の良い内容ではないし、納得のいく結末もない。自分の生活感覚から遠いし、世代的な断絶もある。しかし印象に残るのだ。喉に引っかかった小骨のように。
居心地の悪さは中途半端に近くて遠いからなのかもしれない。これがアメリカが舞台の話だったり、「夜がまた来る」のようなやくざ系バイオレンスだと、まったく違う世界のお伽話として鑑賞できる。この作品で描かれる高校生たち、そして作品に対する嫉妬があるのかもしれない。そんな風に心をかき乱してくれる良い作品なのだが、将来に残る作品かというと疑問符がつく。私的な感覚が強すぎて普遍性が弱い。そこがちょっと惜しい。
映像的には、美しいと唸るところはないけどそつなく撮っていて好感度は高い。主人公を演じた嶋田博子の演技と存在感は素晴らしい。美人ではないが、仕草、動作に目がひきつけられる。
夜がまた来る ★★☆☆☆
麻薬の潜入捜査官の夫をヤクザ組織に殺され、自らも陵辱された妻。復讐のため組織に潜り込むが、いたぶられ責められ、薬物中毒にされる。しかし協力者の力を借りて再び復讐に挑む。
石井隆監督。彼の劇画を読んだのは二十歳ごろだ。劇画の主人公の名もこの映画と同じ名美だったと思う。彼の劇画のセックス&バイオレンスをそのまま映画にしたような内容。ただ、劇画は一流だったと思うけど、映画のほうは真のB級。映像に感銘を受けるところはないし、冗長なシーンも多かった。演技陣では、根津甚八、椎名桔平の(演技というより)存在感が良い。
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