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2006/12/16

映画:虞美人草

ロビーで時間をつぶして5:00の回も見る。1935年作。夏目漱石の作品を脚色したもの。サイレントとトーキーの端境期の作品で音質、画質が心配。

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 今日上映のフィルムは、松竹大谷図書館所蔵の可燃性オリジナル・ネガから復元したものとのことだが、画質も音質も十分満足できるレベルだった。
 大学で研究に勤しむ青年。言葉にできないほどの恩義のある恩師と将来の約束をした恩師の娘が彼を頼って上京してくる。しかし彼の心は奔放な資産家の娘に囚われている。夏目漱石の小説の映画化だがある程度の脚色をされているらしい。しかし、原作を読んでいないのでどこまで忠実か、どのように脚色したのかは分からない。
 映像、演技は水準以上だし、話のテンポも良く退屈はしなかった。最後の展開がちょっと急過ぎて不自然なところはあるにしろ完成度も高い。ただ、溝口らしいかと言われても私にはよく分からない。和室の中でのカメラの動きや、小夜子の悲哀の部分にはそれらしいところはあったけれど。

虞美人草

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