ラップの次にくるものはなに?
アメリカ黒人音楽の系譜って「前衛」の一言だと思う。
ブルース、ジャズ、リズム&ブルース、ロック&ロール、そして、ゴスペル、ソウル、ファンク、ハウス、ラップ。しっかり勉強してないので正確ではないのかもしれないけど、どれも前の音楽の影響下から生まれ、それを破壊するパワーを持っていた。差別や生活苦からの突破としての表現に充ち満ちている。それが陳腐化して白人化してパワーがなくなると、新たな革新が生まれてきた。
下の記事によれば、ついにラップにも衰退の時が来たと言うのだ。楽器を買うこともできない貧困層が作り上げたサンプリング音楽、ターンテーブルを楽器にする革命性もついに陳腐化したのか。その次にくるのは何なのだろう?
以下、日刊スポーツ記事からの引用。
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米でラップ音楽衰退か、グラミー賞落選
米音楽界にブームを巻き起こしたラップ音楽が、最高の名誉とされるグラミー賞で主要賞の候補入りを逃した上、曲の売り上げでも苦戦が目立ち、衰退の始まりではないかとの見方も出ている。 今月7日発表された第49回グラミー賞候補には、最優秀レコード賞など主要部門で、候補入りが期待されたカニエ・ウェストやエミネムら大物ラッパーが選に漏れた。
米紙ロサンゼルス・タイムズによると、ラップが主要賞の候補から漏れたのは、ここ6年間で初。ラッパーの不在に、同紙は「ラップは死んだのか」と問い掛ける記事を掲載した。
今年はCD売り上げでも上位20位に入ったラップのアルバムは1枚だけだったという。
[2006年12月26日10時30分]
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コメント
世の中に対する不平・不満が減って、
強烈に歌で風刺する必要も
なくなったのでしょうかね。
投稿: ロ・おとこ | 2006/12/28 08:39
音楽の進化って単位時間当たりの情報量の増加と見ることも出来ますよね。
それにしても消費(=陳腐化)のスピードの増加には唖然としますです。
投稿: qma | 2006/12/28 09:59
>ロ・おとこさん
アメリカでの貧富格差の拡大とか、黒人の置かれている状況というのは90年代より悪くなっていると思うのですが…。ということで、ラップに変わる新たな音楽ムーブメントが出てくるものと期待しています。
>qmaさん
単位時間あたりの情報量は変わっていない気がするんです。ゆっくりのリズム、ゆっくりの歌い方でも、そのゆっくりの中に含まれている微妙なニュアンスや間や味わいの情報量って多かったと思います。リズムが早くなればその部分は失われていき、結局総合的な情報量は同じだったりするのでは?
個々の音楽(楽曲)の消費のスピードの速さについては同感です。消費=金儲けのアメリカ主義の顕れでしょうか。ただ、ラップやらソウルやらの1つの大きなムーブメント自体には、10年間、20年間の旬があるのは変化していない気もします。いずれも最後はポップス化、白人化という結末も変わらないような…。
投稿: ひゅ~ず | 2006/12/28 12:45