先々週に引き続き、新文芸座でのオールナイト。今晩も頑張る(うーん、ここまでする必要あるのだろうかと、ちと悩む?)。
今日は、フェデリコ・フェリーニの第二夜、傑作選。できれば「ローマ」、「アマルコルド」、「オーケストラ・リハーサル」あたりもぜひ観てみたい。やってくれないものか。
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甘い生活
すごい映画だ。エピソードの羅列。永遠に続く享楽的なパーティの連続と婚約者との軋轢、友人の無理心中。明確な起承転結があるわけではない。でもすごい。なにがすごいかを表現することは難しい。享楽的な生活感覚、パパラッチ的なゴシップの世界、フェリーニらしい祭の連続。これらがある種の都会的で刹那的、享楽的な感覚を見事に伝えてる。
マルチェロ・マストロヤンニは素晴らしい。演技だけでなく内から自然と湧き出てくる魅力がある。また、アメリカ人女優を演じたアニタ・エクバーグのインパクトがすごい。セックスアピール満点な上、自由奔放な女優役を素晴らしく演じている。彼女に目が釘付けになるくらい。あと、ニコが出演していたのにびっくり。アメリカに渡り、ウォーホールの肝いりでヴェルヴェット・アンダーグラウンドのファーストアルバムに参加する何年前になるのだろうか。
カビリアの夜
ローマ郊外で暮らす娼婦。男にだまされ人生に絶望しながらも生きてゆく姿を描く。ジュリエッタ・マシーナ主演。活発で時にはすっぱ、時にしおらしくかわいい姿は強く印象に残る。
主人公である娼婦のカビリアを描くフェリーニの視点はやさしい。男にだまされ、全財産を失ったカビリアが目に涙を溜めながらも柔らかくほほ笑み、偶然逢った楽団に囲まれて歩く姿に心を打たれる。また、その前の結婚詐欺師との崖上のやりとりに至るシーンは、どうなるのかとはらはらさせられる。細々としたエピドードの積み重ねと、最後の展開にもっていくシナリオの巧さにうなる。
崖
貧乏人を相手にした詐欺師の暮らし、心の様、破滅を描く。
前2作とうって変わって乾いた作風。観る者の共感からも距離を置くような作り。詐欺師たちが騙すのは、貧乏な普通の人々。彼らが、まじめに働き明日のために爪に火を灯す思いで溜めたお金だ。コンゲームの爽快さはどこにもない。最後の詐欺の場面でも良心に従ったかと思わせてそれを裏切るという、しつこいまでに念の入った構成。ただ、共犯のリチャード・ベースハート、ジュリエッタ・マシーナ(この二人は「道」の出演者でもある)の夫婦の行く末も描かれていないし、ちょっと尻切れとんぼな感じもある。映像的には見事な出来栄えだけど、ストーリー、構成ともあと少しだけ足りない感じ。
[GPS情報URL]
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