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2006/03/30

文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの

文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (上)文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (下)
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図書館で借りて読了。
読みやすいし、非常に面白く、興味深い内容だった。
自分が考えているところに近い…、というより、漠然と考えていたことをしっかりと論じてくれている。さらに今まで知らなかったこと、気付かなかった多くのことを教えてくれた。

ただこれは、自然科学書とか客観的なルポルタージュとかではないね。崩壊に向かっている現代社会の姿を著者が憂い、解決策をポジティブに提示している思想書だ。
これを読んで思うのは、今後の世界のキーワードは、「環境破壊」、「人口増加」、「食糧生産」、「水資源」、「エネルギー消費」、「一人当たりの環境侵害量の推移」あたりだと思う。これらは相互に関係している。

それにしても読み終わるまで3週間もかかった。読書力の低下と、自転車と仕事で時間がなくなっていることの相乗効果なのだが、ちとまずい。
ただ、自分で買わずに図書館で借りたのは正解。返却日という締め切りがあるので、読むことができた。買っていたら、「積読」になっていたに違いない。

----------以下備忘録-----------

イースター島、古代マヤ文明、グリーンランドのノルウェー人居住地、アナサジ族、破滅し崩壊した文明の原因について紹介している。
崩壊には、「環境破壊」、「気候変動」、「敵対する他集団の存在」、「援助・協力関係にある他集団の喪失」、「危機に対する社会の姿勢」、これら5つのファクターが絡み合っている。
過去の崩壊事例だけではなく、現在の中国、ドミニカ・ハイチ、オーストラリア、ルワンダなどの例も紹介している。また、崩壊の危機を乗り越えた例や、今ある危機を乗り越えるための方向性も示している。

著者がグループ分けをした現在の深刻な12の環境問題は、(1)自然の生息環境の破壊、(2)魚介資源の乱獲による枯渇、(3)種の多様性の喪失、(4)土壌被害、(5)化石燃料の枯渇、(6)水資源の枯渇、(7)光合成の限界値、(8)毒性化合物の生成、(9)"外来種"による被害、(10)温室効果ガスの影響、(11)人口増加、(12)一人当たり環境侵害量の増大。
これらすべてが解決される必要があり、このうち一つでも解決されないと大きな被害が発生すると論じている。

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